2496.【4】 ページ46
［翔にぃside］
この人、
ほんとに頑固だな。笑
説得の末、目を瞑ったまま微かに口を開けて
くれたから、ゼリーを滑り込ませる。
リンゴは入らなそうだったから。笑
「薬も飲むよ？」
智「…あー」
雅「あひゃひゃ！全部やってもらうの。笑」
服薬の時も目を閉じたまま。
少しは体を起こして欲しくて、雅紀に凭れられる
ようにしてもらったけど、それでも目を開けず。
もういいや、好きなようにしてあげる。笑
錠剤と水を飲ませて「もう1種類あるから」って
言ったら、また口を開けてくれたから
口に流し込んだんだけど…
どんな薬か確認せずに口に含んで大丈夫かな…笑
智「…っ、まずっ…」
「あ、出したら駄目じゃん…」
やっぱり、不味さにビックリしたみたい。
シロップで、和も苦手なやつ。
もちろん、俺も嫌い。
さすがに俺は吐き出したりしないけど。笑
智「まっず…なにそれ…」
「貧血の症状には必要な薬」
智「やだ…いらない」
目をパチパチさせて、俺が作り直すのを見てる。笑
「出さないでよ？」
智「…やーだ…」
雅「んふふ、頑張れ」
口を固く閉じてしまったけど、構わずにコップを
傾けたら飲んでくれた。
さすが、大人。笑
［智にぃside］
「もう、やだ…」
体の不調に加えて、不味い薬を飲まされて
もう最悪。
気持ちが滅入ってしまって、布団に隠れたら
「よしよし…」って翔が優しくしてくれる。
「グルグル…する」
翔「ん、辛いよね…」
弱音を吐けば優しくしてもらえて、特別対応。笑
落ち着くまで布団の中で過ごして、夕食は
みんなと一緒にテーブルで。
翔「勢いよく立たないでね？ゆっくり…」
「はぁ〜い…」
ゆっくり立ち上がったけどグルグル視界が
まわって気持ち悪くて、テーブルに手を突いて
一旦休憩。
すぐに双子が両側に駆け寄ってきて「…大丈夫？」
って心配してくれる。
有難いね…
落ち着いてきたら、支えてもらいながら
ソファーに移動。
和「…吐きそう？」
「…ん、多分、だいじょ、うぶ…」
「辛いね」って背中をさすってもらって
気が紛れる。
辛い時こそ家族の温もりが欲しくなる。
その気持ちを分かってくれて、寄り添ってくれる
4人の存在が何より大事。
「ありがと、ね…」
双子の「また寝るの〜？笑」って声と、翔の
「薬飲んでからにして？」って声。
聞こえていたけど、聞こえないふりして
夢の中へ。
不味い薬からも逃げられるし、みんなの温もりを
感じながら寝られて一石二鳥。笑
END
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作者名：空
| 作成日時：2017年2月18日 9時
