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［翔にぃside］
雅紀は手術当日の朝に
なっても雅紀のままで。
『頑張ってくるね！』って頼もしい言葉を
残して病室を出て行った。
その後、カウンセラーが病室に来てくれて
昨日の夜に話したことなんかを教えてくれた。
カウンセラーは「雅紀くんらしい言葉だね」って。
春亮さんは「改めて尊敬しました」って。
話を聞きながら、和と潤は誇らしそうな笑顔を
見せていて。
俺ら5人の存在に、雅紀の明るさと真っ直ぐさが
必要なんだって改めて感じさせられる。
智「まさき…？おかえり」
「…おかえり」
雅紀は術後の一晩だけICUで様子を見て
翌日の午前中には一般の病室に戻ってきた。
先輩から説明があったから安心したのか、双子は
目覚めた雅紀には会えていなかったけど
元気に登校して行った。
雅「…っ、ん、いた、い…」
「…さすってやるから。どこが痛い？」
智「ここかな？」
手術の傷口が痛むのはもちろんだけど、機械で
管理されていたから痛む場所が多々あるみたいで。
春亮さんが診察にきても、俺らから手を離さずに
「ずっといて」「ここも痛い」って素直な言葉を
口にする雅紀に、春亮さんは少し驚いてる。
「双子が生まれるまでは、すげー末っ子感
だったんだよ。笑」
春「想像できないです。笑」
智「ふふ…今でも3人の時は末っ子モードの時
あるもんね」
雅「…手離さない、で」
智「んふふ…」
病室に双子がいない時は、雅紀は末っ子モード
全開で俺らに甘えてくる。
「痛い」「お腹空いた」って。
だけど夕方になって双子が面会に来ると
「もうね、ほとんど痛みないから」「早く退院
出来るように頑張るね」ってお兄ちゃんモード。
これにまた、春亮さんは「こんなに変わる
ものですか？笑」って驚いている。
雅紀が末っ子モードで甘えてきた時は、智にぃと
俺は全部受けとめることにしてる。
今までの不安とかもあるだろうしね。
「どこが痛い？」
智「分からないから教えて？」
雅「…っ、ん、…んぶ、って、…ってる、じゃ…」
術後数日して少しずつ落ち着いてきたかと思いきや
今朝は朝から「痛い」って涙ポロポロ。
痛い場所を聞き出そうとしても「全部って
言ってるじゃん」ってしゃっくり上げて。
丁度、診察にきてくれた先輩と春亮さんは
しばらくしてそっと去っていった。
入院が続いているから色んなこと不安になって…
心の負担も全て含めての「痛い」なのかなって。
そんな雅紀を、智にぃと2人で両サイドから
そっと抱きしめる…
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作者名：空
| 作成日時：2017年2月18日 9時
