5人で生きてゆく…part50 (ページ17)

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［智にぃside］

傍にいることは
出来るけど、翔の心の負担を減らしてやることは
出来なくて。

翔「…っ、んっ…おぇっ…」

先「ずっとこんな状態？だいぶ酷いな…」

先生から「翔くんの様子どう？」って連絡が
きたから症状説明の返信をしたら「今から
病院連れてきて」って。

車に乗ってる間は落ち着いてたんだけど、診察室で
先生を待ってる間にまた吐き気が襲ってきた
みたいで…

ゴミ袋から顔を上げられずに苦しんでる。

先生はそんな翔の背中を優しくさすりながら
「落ち着いたら診察して、薬処方してやるから」
って声を掛けてくれる。

苦しさを分かってもらえて、少しは気持ちが
ラクなんじゃないかって思うと、先生の存在が
とても有難い。

先「聴診器当てるよ？」

翔「…はい」

しばらくして吐き気が落ち着いて、口を濯いだら
だいぶ顔色も良くなった。

先生からの問診にもきちんと受け答えして
診察を受けれてる。

先「吐き気止めとビタミン剤、点滴で
入れてくか？」

先生からの提案に「いいんですか？」って翔。

先「あんまり頼りすぎて欲しくはないけど」

翔「…ですよね」

先「でも少しラクにならないと辛いだろ」

優しい笑顔を向けてくれた先生に安心したのか
「お願いします」って翔の顔から、笑顔が
こぼれた。

「よかった…笑ってくれた」

翔「…ん、ごめんね。智にぃ…」

「いや、いいよ。俺のことは気にしなくて」

先「翔くんは弟なんだから、甘えて
いいってさ。笑」

翔「もう十分、甘えさせてもらってます」

診察室の中では翔が末っ子。

気を遣うことなく弱い部分も見せてくれていい。

先「点滴してやるから。少し寝ていきな」

翔「でも…」

先「大丈夫。智くんも仕事持ってきてるから」

「ん、大丈夫。パソコン持ってきたから」

先生から「場合によっては点滴して、病院で
休んでいってもらうから仕事持っておいで」って
予め言われてたんだ。

ここだと仕事も捗りそう。笑

翔「ありがと…」

「ん、ゆっくり休みな…」

眠るまではベッドサイドで肩のあたりをポンポンと
叩いていた。

薬のお陰もあってか、割とスーッと眠りに
落ちてくれて。

「ふふ…おやすみ」

薬が効いている間だけかもしれないけど。

こうして安心した顔して眠っている姿を見れて
俺の気持ちもラクになる。

先生が何度か様子を見にきてくれて、その時に少し
同僚とのことも話させてもらって。

先生は「翔くん優しいからな…」って寝顔を
見つめていた。