2449.【4】 ページ49
［和side］
トントントン…
智「…ん？誰…？」
「俺。かず！入ってもいい？」
智「いーよ」
何ともフニャッとした声で、思わず笑ってしまう。
寝る時間になって、智にぃが眠れているのか
ちょっと気になっちゃって…
「寝れない？」
智「んーん、寝れてたよ。ちょっと咳き込んで
起きちゃって」
「ふふ…そっか」
智「和こそ。寝れなかった？」
「んーん…これ、貸してあげる」
智「んふふ…いいの？」
もし眠れていなかったら貸してあげようと思って
部屋から連れてきたのはミッキー。
ディズニーランドに連れて行ってもらった時に
翔にぃが買ってくれた大きなぬいぐるみ。
俺はいつも抱き枕の代わりにしてるから。
智にぃは俺が差し出したミッキーに顔を埋めて
「和の匂いがする」って柔らかく笑う。
智「ありがとね…また眠ってみるから」
「うん」
智「かずも。おやすみ…」
頭をパフパフと撫でられて、自室へと戻る。
ベッドに寝転んですぐに寝てしまったみたい。
そこからの記憶はない。
［智にぃside］
持ってきてくれたミッキーは和の分身みたいに
和の匂いがする。
薬が効いて数日経った今も、こうして兄弟達が
俺のことを気に掛けてくれてるってことが
嬉しいのもあり。
「んふ…なにしてんの。笑」
潤「くはっ！温めてたの！」
ある日は風呂上がって部屋に戻ったら、潤が俺の
ベッドから顔を出していて。
潤「翔にぃが言ってたんだ。寝る時に布団が
温まっていた方がすぐ眠くなるんだって」
「ふふ…そっか。ありがと…」
潤「眠るまで温めてあげるね」
ベッドに寝転んだ俺にピタッと体を寄せながら
ニコニコ。
潤って人を喜ばせるのがすごく好きで、その為の
労力は惜しまないんだよね。
「ありがとね…ゆっくり寝れそう」
潤「ほんと？よかったぁ〜」
和のぬいぐるみといい、潤の布団温め作戦といい
どれもこれも優しさでいっぱい。
雅紀は温かい飲み物を持ってきてくれたり
楽しい話をしてくれたり。
翔が気に掛けてくれていることも伝わってくる…
原因が分からないから、治すのは難しいんじゃ
ないか…なんて弱気になっていたけど。
病院で診断してもらったことで、症状も落ち着いて
きたし。
気持ちの面でも、日に日にラクになっていくのを
実感できるんだ。
そうなってくると…
もっと早くに相談したら良かったって後悔とか。
軽い風邪だなんて自己判断してしまったことへの
後悔とか。
いっぱい。
反省してもしきれない。笑
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作者名：空
| 作成日時：2016年12月23日 9時
