5人で生きてゆく…part49 (ページ43)

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2443.【双子の高校受験】ページ43

［潤side］

中学3年の春。

学年上がって1回目の進路希望調査があって。

俺は2年の時から変わらずの学校名を記入して
提出した。

問題は和。

その他の欄に『分かんない』と記入してしまった
らしくて…笑

担任から電話がかかってきて、
リビングで智にぃと翔にぃに説教されてる。

翔「前回も言ったけどさ、こういう時は
なんて書くって教えた？」

和「忘れたー」

智「…和？俺ら真面目に話してるよ？」

和「んぅ…」

2年生の時の調査も似たようなこと書いて、兄貴達が
事情聴取をしてた。

確か『なににもならない』だったかな。笑

翔「正式な調査なんだからな？」

和「んぅ…分かってるもん…」

智「分かってたのに、なんで同じことするの？」

和「…」

都合が悪くなれば黙り。

前回、兄貴達は『未定』とか『考え中です』とか
書けばいいんだと教えていた。

和は記憶力いいから、覚えているはず。

なのにこれだもんね。笑

智「明日、担任の先生にちゃんと話しできる？」

和「ん～…」

翔「自分で出来ないなら、俺らが学校に行って
話してやってもいいけど？笑」

和「それはやだ！！いじわる…」

智「んふふ…」

翔「はは！だったら自分で伝えなさい。いいね？」

［翔にぃside］

進路については何度も和とやり合った。笑

もともと目標とか将来の夢とか、明確では
なかったんだろうね。

だから将来の夢がはっきりしている潤からは
いつも何となく置いてけぼり気味で。

そんなんだった和が、進路をはっきり決めたのは
いつだったかな…

突然「俺、潤と同じ高校に行くから」って
伝えにきて。

「勉強教えて」とか言い出すようになったんだ。

幸い、和は成績が悪くはなかったから、今から
本気で頑張れば合格を狙えるラインにいた。

「頑張って勉強する？」

和「ん、する！」

ニコニコ笑った和は「だって潤と同じところに
行きたいんだもーん！」って。

どうして潤と同じところに、こだわり始めたのかは
未だに分からない。

でも潤と同じなら俺らも安心だから…

そして何より潤も和も「一緒に合格ね！」って
嬉しそうに笑っていたから。

応援しようって決めたんだ。

それからの和は授業も真面目に受けるように
なって。

「授業中に寝ていることが多いですが、体調には
問題ありませんか？」って、担任の先生から
電話がかかってくることも減った。笑

智にぃが「成績には授業中の態度も含まれる」って
教えたから。笑

頑張れ、双子。