2437.【4】 ページ37
［和side］
別にハッキリした
理由があって、体調チェックを拒否したわけじゃ
ない。
ただ、怠かったから診察受けたら学校行けない
んじゃないかなって思っただけ。
ちょっと意地張って拒否してみたら、後に引けなく
なってしまって…
「…怪我させるつもりなんて、なかったもん…」
智「ん、知ってるよ。わざとじゃないって
分かってるから…」
膨れっ面で言い訳をする俺に、智にぃは優しく
声を掛けてくれる。
さっき、病院にいる雅にぃから連絡があったんだ。
俺のせいで、翔にぃが不自由な生活をしなくちゃ
いけなくなって悪いと思ってる…
運が悪かったら、失明の可能性もあった…って
聞いて、心臓がドキドキして悲しくなった。
そんな俺の気持ちもお見通しなのかな。
智にぃが「和？」ってちょっと真剣な顔になって。
智「わざとじゃなくっても、もう少し加減したり
気持ちを抑えたりしなくちゃいけないと思う…」
「…はい」
説教されて、少しだけ気持ちの整理がついた。
智「もうすぐ帰ってくるから。暗い顔してたら
翔も気遣うからさ。ね？」
「…ん」
頭を優しく撫でてもらって「ごめんなさい」って
謝れて。
そのすぐ後に帰宅した翔にぃにも「ごめんなさい」
って謝ることが出来た。
「…見える？」
翔「ん、大丈夫。ちょっとボヤッとしてる感じは
あるけど、和はちゃんと見えるよ」
俯いた俺をガシッと腕の中におさめてくれて
背中をさすってくれる。
「…っ、んっ、んくっ…」
翔「いいよ、泣かなくて。気を付けなかった俺も
悪いし。大丈夫、ちゃんと治るから。な？」
「…っ、…ん、でも、…んくっ…」
翔「俺がいいって言ってんだからいいの。笑」
雅「そうだよ、和。身の回りのお世話してあげて？
お風呂とか。笑」
翔「…っばか！それはやめろ！笑」
雅「あひゃ！！」
智「んふふ…」
「くふっ…」
雅にぃのお陰で止まった涙。
色々と不自由になると思うから、俺がきちんと
しなきゃって思えたんだ。
翔「お前も熱あるんだから今日は安静にな？」
「…ん、翔にぃも」
翔「そうだな。ちょっと疲れたし、休もうかな」
「…ん、こっちきて…」
智にぃに和室に敷いてもらった布団。
そこに翔にぃを誘ったら先に寝転んでくれた。
翔「おいで」
「ん ♪」
翔「くはっ！笑」
久しぶりの腕枕。
俺が我儘言って暴れて怪我させたのに
こんなんでいいのか…ってちょっと思うけど。
翔にぃが優しくしてくれるから…その優しさに
甘えてしまう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2543人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2016年12月23日 9時
