2417.【3】 ページ17
［翔にぃside］
強引に連れてきて
そのまま入院させるのはフェアじゃないかな…とも
思ったけど、結果的に良かったみたい。
高熱と吐き気で辛いのに家では無理していたから…
智「…っ、んっ、おぇっ…」
「スッキリするまで吐いちゃいな。背中さすって
るからね…」
智「ん、ん…っ、おぇっ…」
今はこうして頷きながら、手を握って頼って
くれる。
家という環境では無意識みたいだけど『長男で
いなきゃ』って思いが強いのかもしれないね。
先「翔くーん、どう？」
様子を見にきてくれた先輩が「…辛そうだな」って
色々助けてくれる。
智「もう、疲れ、た…」
口を濯がせてもらったら、もうぐったりで。
「寝れそうなら寝ちゃっていいよ」
肩の辺りを叩きながら、先輩と今朝からの
様子なんかを話していたら寝息が聞こえてきて。
先「辛そうだけど、精神的には安定してるな」
「そうですね。頑固さは少し軽減されました。笑」
俺が笑いながら智にぃの髪の毛を触っていたら
「ほんと仲良いよなぁ」「絆を感じる」って
呟きながら病室を出て行った先輩。
その背中にそっと頭を下げる。
［潤side］
学校が終わった後に、雅にぃに迎えにきてもらって
病院まで。
病院内でお医者さんの団体とすれ違ってしまって
身体を硬くして怯えてしまった和の肩を雅にぃが
優しく支えてくれる。
雅「いつもの病室だから大丈夫だからね」
和「…ん」
トントントン…
「…きたよ〜」
寝てるかな〜っと思ってそっと覗いたら
リクライニングを起こして座っている智にぃが
いた。
翔「いらっしゃい。今ね、丁度起きたとこ」
智「…めん、ね。入院に、なっちゃって…」
「んーん、全然。治してくれたらそれでいい」
バフッと抱きついてみたら体が熱くてビックリ
しちゃった。
和「…ん…」
和はトボトボと歩いて翔にぃの元へ。
翔「ん？…どした？顔色悪くない？」
翔にぃの胸元に頭をグリグリ押し付けて甘えてる。
雅「先生達がいっぱい歩いてきてね…ちょっと
ビックリしちゃったんだよね？」
和「…ん」
翔「そっか、そっか。もう大丈夫だよ。
ここには誰も来ないから。な？」
和「…ん」
黙って様子を見ていた智にぃが「ごめん…」って。
和「…いの。会いに、来たんだもん。へーき」
智「ふふ…ありがと…」
智にぃの表情も、和の表情も柔らかくなって
病室の空気が温かくなる。
熱はまだ高いけど、薬のお陰で吐き気は少し
治まってきたって情報も。
嬉しいね。
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作者名：空
| 作成日時：2016年12月23日 9時
