2414.【5】 ページ14
［翔にぃside］
「痛い」って
ポロポロ泣く潤は可哀想で…出来ることなら
代わってやりたい。
「薬入れたからな。もう大丈夫…」
そっと頭を撫でたら安心したように目を閉じて
眠ってくれた…
夕方にはもう一度痛みの波に襲われたけど
何とかやり過ごしてくれて、もうすぐ面会時間が
終了。
智にぃが双子をトイレに連れ出してくれた
タイミングで雅紀が「和の体調どう？」「大丈夫
かな？」って。
さっき熱を計った時には平熱に戻っていたし、
診察も大丈夫そうだった。
「心配なら泊まらせてもいいけど、潤が痛みで
何度も起きると思うし、ゆっくり寝れないんじゃ
ないかな…」
雅「そうだよね…」
「電話、すぐ出れるようにしておくから…
智にぃと雅紀で見てやってくれる？」
雅「ん、分かった」
潤の痛み止めが切れた後、次まで時間が空いて
また痛がると思ったから、連れて帰ってもらう。
案の定…
潤「…っ、ん、…痛い…」
「さすってるから…力抜いてみ？」
21時過ぎから痛みを訴え始めて眠れなくなった。
「温かいもの飲もっか。ちょっと待ってて」
握っていた手を離して立ち上がったら
「行かないで…」って涙がポロリ。
「ごめん、ごめん。看護師さんに頼もうね」
潤の傍にこうして付きっきりになることって
あんまりないから良い機会かもね。
「飲む？体温まると痛みも和らぐからな」
看護師が持ってきてくれたはと麦茶。
少しずつ冷ましながら飲ませたら、表情が和らぐ。
潤「…うち、が…い」
「ん、家に帰りたいね。あと数日だけ様子見たら
帰れるから…」
潤「…お、る？」
「ん…？」
口元に耳を近付けたら「治る？」って。
これだけ重傷を負って、痛みも強ければそりゃ
不安にもなる。
「大丈夫。必ず治るから。今が一番辛いけど
傍にいるから。な？」
潤「…ん、ん」
目尻から零れそうな涙をそっと拭って、隣に
寝転んで腕枕しながら胸元をさする。
顔に貼られたガーゼが痛々しいけど、潤は頭を
少しだけ動かして腕にすり寄ってきた。
傍にいるだけで少しでも不安とか痛みが減るなら
いくらだって傍にいてやりたい。
怪我をする時に傍にいてやれなかったし、目眩の
原因も特定できないままだったから申し訳なさも
感じていたけれど…
潤「…ょにぃ、いたら、ねれる…」
嬉しい言葉をもらった。笑
薬を追加してあげたら、俺の手を握ったまま
眠りについて…
でも寝言で「しょにぃ…」って何度も。
可愛くてたまんねー。笑
END
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2543人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2016年12月23日 9時
