2400.【5】 ページ50
［潤side］
久しぶりに
深い眠りで…
目を開けたら、雅にぃが隣で眠っていて、智にぃと
翔にぃに「おはよう」って頭を撫でられた。
翔「これで計ってもいい？」
「…ん」
耳に体温計が差し込まれて。
ピピッ…
熱のせいで頭痛が酷いくらいだから、きっと
高いんだと思うけど、そんなのどうでも良くって…
「…っ…」
智「んふふ…冷たくて気持ちいい？笑」
「…ん」
ほっぺに当てられた翔にぃの手を捕まえて
スリスリ。
和の具合が悪い時に、兄貴たちが和に付きっ切りに
なるのは当たり前のこと。
仕方がないこと。
いけないのは、俺がそこで我慢してしまうこと。
夢の中の幼い俺は、床に座って泣きながら
「俺も抱っこー」「俺も和と一緒のしてー」って
思いっきり甘えていた。
そして、それに応えてくれる人が沢山いた。
俺が我慢してしまうから、伝わらない。
改めてそれを自覚したんだ…
和のことで不安と心配があるなら、兄貴たちに
ぶつければいい。
和が頭を撫でてもらっていて羨ましいと思うなら
「俺も」って言えばいい。
「俺も…俺もギュって…」
翔「ん、してやる。いくらでも、してやる…」
翔にぃは俺にちょっと似てて、照れ屋さんだから
こうして言葉にしないと、こんなことは
してくれない。笑
でも優しい人だから、頼んだら必ずしてくれる。
翔「まだ、あちーな…」
抱き締めてくれながら額に当てられた手は
気持ちよくって…
智「んふふ…泣かなくていいよ？」
気が付いたらポロポロと涙が零れていた。
こんなに優しくて温かい人たちが周りにいるのに
一人で不安になって、意地張って抱え込んで…
ほんとバカみたい。
翔「お前は泣かなくていーの。ごめんな？」
「…っ、んくっ、…ん、…さみし、かった…」
翔「ん、ごめんな」
素直な一言が出せてからは、すごくラクな
気持ちになった。
和の具合はなかなか良くならなかったけど、
兄貴達は俺の傍にも居てくれた。
それに俺も、素直に「ここにいて？」とか
「一緒に」って伝えられるようになって。
恥ずかしさも少しはあるけど、こうして傍に
居てもらえると、恥ずかしさより嬉しさが
勝るから。
「智にぃ、きて？」
智「ふふ…なーに？」
「俺も…あれやって欲しい…」
翔にぃが和にリンゴを食べさせていて
羨ましくなっちゃった。笑
智「んふふ…潤も食べようね」
雅「俺が抱えてあげる」
「ありがと…」
兄貴たちの愛情と温もりがたっぷり。
大好きだから、恋しいんだ…
END
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2467人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2016年10月26日 18時
