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［潤side］
翔「かなり
落ち込んでるからさ…」
雅「そっか…
間に合わなかったか」
智にぃが寝た後にリビングで翔にぃから
話を聞いた。
その翌日、和と智にぃの部屋を覗いたけれど
布団に潜って出てこなくて…
翔「智にぃ？潤と和も心配してるから、顔だけでも
見せてあげて？」
翔にぃと一緒にきてみたけれど。
智「放っておいて、よ…」
布団の中から暗い返答がポツリ…と。
仕事が期日に間に合わなかったことへの負い目。
自分は頑張れなかった…っていう悔しさと焦り。
智にぃの体調はさらに悪くなってグッタリ…
翔「治療はしていくけど、精神的なことが
大きいから…」
和「…ん」
翔「時間が解決してくれるけど、俺らも協力
しようね」
「…ん」
智にぃは、いつも精神的支柱になって俺らを
支えてくれてるから。
こんな時くらいは役に立ちたい。
「欲しい物あったら言ってね」
智「…ん」
あんまり一人にはしたくないから、誰かが
傍に付き添っているようにした。
だけど智にぃは一向に甘えてきたり、我儘を
言ったりはしなくって。
ただ…
智「やだ…いい」
翔「くはっ！またそんなこと言って。笑」
この時だけは、我儘王子。笑
喉に薬を塗る時間。
毎食後なんだけど、必ず翔にぃの手を煩わせて。
翔「頑張らないと駄目」
智「やだ」
翔「できるよ、智にぃなら」
智「やだ、できない」
手で口を隠して、ただの駄々っ子。
翔「やるの」
智「やだ…おえってなるもん…」
翔「だーめ。やります」
結局、翔にぃが口元の手を左手で掴んで
胸のところに抑えて。
「口開けないと終わらないよ」って厳しい顔と
声で圧をかけると…
智「…んぅ、あー…」
恐々だけど、智にぃが口を開く。
翔「ふふ。笑」
いたずらっぽく笑った翔にぃが「恐かった？」って
問い掛けたら「いじわる…」って。
いつもの智にぃと翔にぃの関係からはかけ離れた
姿に思わず笑ってしまう。
翔「ちょっと我慢ね」
智「…っ、ん…、…っおぇ…」
翔「あと1回ね」
智「…ん、…っ、おぇっ…」
涙目でえずく智にぃは可哀想だけど「ほら、
頑張れた」って頭を撫でてもらって満足そう。
翔「寝れるなら寝ちゃいな？」
智「…」
翔「ん、いるから…」
潤んだ目で見つめられただけなのに、翔にぃは
分かってあげて、応えてあげて…
だから智にぃは安心して眠れるのかも。
和「おれ、着替え手伝う！」
雅「お粥作ったよー」
智にぃが元気になるまで、みんな傍にいるよ。
END
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作者名：空
| 作成日時：2016年10月26日 18時
