2389.【4】 ページ39
［雅にぃside］
潤「…っ、おぇっ…」
不眠の症状に重ねて、摂食障害も。
「大丈夫だよ。気が付いてないから」
潤は、吐き気と闘いながらもチラチラと和の姿を
確認してるから…
いつだって、自分より和なんだもんね。
和「…食べたくない」
和も服薬の影響と水分制限のせいで
食欲がガタ落ちしていて、ここのところ食べるのに
苦労している。
今日も食卓から早々に逃げ出して、リビングの
ソファーで翔にぃに説得されてる。
翔「減らしてやるから。な？これだけ」
和「いい…
なんにも、いらない…」
翔「なんにも食べないはなし。口開けて？」
和「やーだ…」
スプーンから顔を背けてグダグダ。
和の相手をしながらも、翔にぃはこちらを
気にしてくれていて。
潤と目が合えば、優しい笑顔を向けてくれる。
その笑顔に安心するのか、潤の口角も少しだけ
上がるんだ。
潤「あと、一口食べる」
智「無理しなくていいんだよ？」
潤「ん、へーき…」
潤には翔にぃが薬を処方してくれているし、
和が眠った後に、果物なんかを食べさせたりも
してくれている。
だから、そこまで無理する必要はないんだけど…
潤「…っ、おぇっ…」
吐き出しそうになる苦痛と闘いながら、おかずを
飲み込んだ潤。
和に気が付かれる前に、なんとかしたいって
思いからなんだろうけど…
翔「そんなに無理しなくて平気」
潤「やだ…平気だも、ん…」
夜中もやっぱり無理してしまって、翔にぃの
判断で果物は中止。
潤「…っ、んくっ、食べれ、る…」
翔「いいの、おしまい。辛くなるから…」
潤「…っ、んっ、返し、て…」
翔「大丈夫だから…」
潤「やだっ…」
遠ざけられたフルーツの入ったお皿を取り返そうと
泣き出してしまって…
智「じゅーん…？翔が大丈夫だって言ってるよ？」
潤「…っ、んっ、んくっ…」
お皿に向けて伸ばされた手を握った智にぃ。
智「翔のこと、信じられない？」
潤「…っ、…っ…」
智「…ん？信じない？」
潤「…っ、んくっ…、信じ、る」
智「んふふ。でしょ？だったら大丈夫…」
背中をさすってあげながら、翔にぃに合図をして…
翔「おいで。大丈夫だから…」
翔にぃがその体を抱き締める。
こうやって、精神的に安定できる時間があって
和の前でも、いつも通りに振る舞えて。
そうしていれば、少しずつ心の回復も望める。
カウンセラーに「5人でいれる環境なら大丈夫」
って言われているから…
乗り越えよう、5人で。
END
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作者名：空
| 作成日時：2016年10月26日 18時
