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［翔にぃside］
呟いた智にぃに
俺も雅紀も返す言葉が見つからず。
少し沈黙が続いたら、智にぃは眠ってしまって
いた。
病院に着いたけれど、座って診察を受けれる
状態ではなくて、ベッドに寝転んでもらった。
「とりあえず点滴は持ち帰れるように
手続きしておくから」
智「…ん」
普段からゆったりと会話をする人だけど、今日は
一段と返答が遅い。
それくらい体は辛いのに「仕事したいから
熱下げて欲しい」って。
「解熱剤打つ？」
智「…ん」
「扁桃炎が原因で熱が出てるから、下がった
としても薬が効いている間だけだよ？」
智「…ん、それで、いい。少しでも、進めるから」
「ん、分かった。用意してくるね」
どんなに仕事したいって思いがあっても、さすがに
この高熱と体の怠さじゃ、どうにもならないと
思うから。
用意して戻ったら、うつらうつら…
ちょうどうつ伏せになってくれてるし、このまま
進めてしまう。
「まさ？サポートしてもらっていい？」
雅「ん、了解。ちょっとズボン下げるね」
雅紀にズボンを下げられてもされるがまま。
だけど枕に顔を押しつけながら「痛いのやだー…」
ってボソボソと。笑
「やめとく？」
智「…んーん。やる…」
そうと決まったらパパッとね。
お尻をサッと消毒して、雅紀が腰に軽く体重を
掛けたのを確認して…
「智にぃ？ちょっと我慢してね〜」
プスッとね。
智「…っ、んぅ〜…」
「痛いねー…もう終わるからね」
雅「頑張れ、智にぃ…」
あっという間に終わったのに「もうやらない」って
拗ねられて。
その後は目も合わせてもらえず。笑
仕方ないから、ご機嫌ななめなまま雅紀に
連れて帰ってもらった。
それから1時間もしないうちに雅紀からLINEがきて
『熱が下がったから仕事に励んでるよ〜』って。
そしたらその数時間後に『翔、ありがとう』って
智にぃからもLINEがきた。
「ただいま〜」って俺が帰宅する頃には、
また高熱に戻ってしまっていたけどね…
点滴を繋いで吸入薬を準備する。
「喉の炎症、少しはラクになるから
これ吸ってくれる？」
智「んぅ…いい」
「いや、良くないから。笑」
体を起こして、背中側に俺が座って凭れられる
様にしたら「もう期日間に合わない…」って。
どうやら明日の朝までだったみたいで。
智「俺にはできなかった…」
悔しそうに唇を噛んで、吸入器を押し返してくる
智にぃ。
掛けられる言葉が見つからず悔しくて…
俺まで泣きそうになった。
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作者名：空
| 作成日時：2016年10月26日 18時
