2380.【長男を心配する次男】 ページ30
［翔にぃside］
深夜、ふと目覚めたら
隣の部屋から聞こえてくる咳き込む音…
寝れてないんじゃないかな…と思って
ノックしたけど返事はなし。
部屋を覗いたら、眠れてる。笑
智にぃらしいや。
咳をしながら寝返りを打ってうつ伏せに…
さすがに顔は横を向いているけど、それでも
咳しながらうつ伏せって苦しそうな気が
するんだけど、本人からしたら、そうでも
ないらしい。
そっと布団に手を入れて、背中をさする。
幸い熱はないみたいで一安心。
すっごいポカポカしてるけど。笑
湯たんぽみたいで、このまま隣で眠りたいくらい。
そんな呑気なこと考えてたら、落ち着いていた
咳がぶり返し…
智「…っ、んぅ…？」
何度目かで目覚めてしまったみたい。
「すごい咳き込んでたけど…大丈夫？」
智「…？…ん、へーき…」
すぐにでも寝落ちしそうなポワンとした智にぃ。
「まぁ、いいや。寝れるならねちゃって…笑」
再び背中をさすり始めたら…
智「…ふふ、…りがと…」
フニャッと笑顔を見せて、そのまま夢の中へ。
「おやすみ…」
こんな感じで素直なままだったら扱いやすいん
だけど…笑
智「いいよ、大丈夫。平気！」
翌朝は聴診すらさせてくれない。
「音だけ聴かせて？」
智「やだっ、いい…」
もう…ある意味和より手が妬けるんですけど。笑
結局、断固としてやらせてくれないまま、みんなの
起床時間になってしまったから見逃した。
みんなに心配掛けるのは嫌だろうから。
だけど、今日休みだから。笑
雅「いってきまーす！」
和「ばいばーい！」
「いってきますだろ？笑」
和「んふふ…いってきます！」
潤「いってきます！」
ワチャワチャ組が出掛けてから、再び聴診器を
手にして智にぃの元へ。
「はい、智にぃ。聴かせて？」
智「…やーだ」
ソファーに座ってもらいたくて手を引いたら
逃げられる。
「いいの、座って」
今度は腕を掴んで座らせる。
正面のラグに座って、逃げないようにガード
しながら「聴くだけ」「大袈裟なこと
何もしないから」って伝える。
迷惑掛けたり、心配掛けたくないから聴診するのが
嫌なんだと分かるから。
智「へーきだから、いいのに…」
「それは俺が決めるの。笑」
智「んぅ…」
ほーんと、誰かさんみたい。笑
「呼吸は？苦しかったりしない？」
智「しない」
「咳はいつから？」
智「昨日から」
拗ねてしまったのか、ぶっきらぼうに
答えてくる。笑
まったく…
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作者名：空
| 作成日時：2016年10月26日 18時
