5人で生きてゆく…part48 (ページ22)

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［翔にぃside］

和の診察を
任される時、雅紀が不安な気持ちとか緊張を
感じていることを知っていた智にぃと俺。

見落とすことは許されないし、何かあってからでは
遅いからね…

それでも雅紀は『頑張るよ』って笑顔で引き受けて
くれていた。

俺らには「なめられてるから嫌だな」なんて
愚痴や不満をこぼす事があったから、その度に
「雅紀は信用されているから大丈夫」って
フォローはしているつもりだった。

和には「雅紀の言うことを聞くこと」って、
理由も含めて言い聞かせてきた。

それなのに、こういう事態は避けられないもの
なのかな…

フットサルに2人を迎えに行った後の雅紀からの
LINEは悲しみで溢れていた。

『和の体調、朝から悪かったみたい。和も潤も
分かっていたのに、俺は気が付けなかった。
ごめんね…』

隠して共犯した2人への怒りは微塵も感じられず、
ただただ自分を責める文面。

俺はメッセージを見て、和の体調のことより
雅紀のメンタルの方が気になって、智にぃに
連絡したんだ。

雅紀は優しい奴だから。

明るくて元気で、何も考えていない単純な奴って
周りから思われることもあるけど、ほんとは
誰よりも他人のことを考えて思いやる人。

責任感は人一倍強くて努力家で。

だから今回の件で一人で潰れてしまうんじゃ
ないか…って不安が頭を過ぎったから。

だから、こうして双子に素直なままの怒りを
ぶつけることが出来ていることに、安堵してる。

もちろん、雅紀のメンタルのケアも後で智にぃと
するつもりだけど。

でも今は、このまま任せるつもり。

和と潤には悪いけど…雅紀は本気で怒っていい
立場だと思うし、双子には雅紀の怒りの奥にある
感情に自分達で気が付いて欲しいから。

和「…っ、んくっ…んさつ、…てくれない、と
や…、おねが、い」

雅「…」

潤「…っ、ん、ん…」

和は雅紀の言動と表情から、自分がしてしまった
事の重大さに気が付いたんだろう。

「診察はしない」ってキッパリ言われて
しまったこともあり、若干パニック気味だけど。

和の場合は診察をしてもらえないとなると
色々困ることが多過ぎるし、不安も大きいんだと
思う。

和「…っ、んくっ、…ねが、い」

雅「…」

ソファーに座った雅紀は泣いて寄ってくる和に
見向きもせず、無言で手で払いのけていたけど…

和「…っ、や…、…さにぃ、…ねが、い」

それでも尚、寄ってきた和に「マジで寄んな！」
って怒鳴って両手で強く押し返した。