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［和side］
日が経ってしまって
雅にぃとの約束なんてすっかり忘れていた。
まぁ、言い訳に過ぎないけど…笑
頭痛と微かな胸痛があったけど「元気！！」って
嘘をついて。
起きて早々に「辛いんじゃないの？」って
指摘してきた潤にも共犯になってもらった。
正直ね、雅にぃなら騙せるって思いが心の
どこかにあるんだと思う。
俺にも潤にも。
もちろん、そんな風に考えること自体が
許されないことだけど…
だから2人で騙してフットサルに行った。
でも、悪いことして上手くは進まない。
練習試合の後半で具合が悪くなってしまって…
コーチに「急にか？」って聞かれて、咄嗟に
嘘を付くことはできず「朝からちょっと…」って
言ってしまった。
そこへ潤も朝の様子なんかを付け足して。
コーチはすぐに雅にぃを呼び出した。
今日は智にぃも翔にぃも仕事で家にいないから。
丁寧に詳しく説明するコーチの横で
俺らはただただ小さくなって雅にぃの顔色を
伺うことしか出来なくて。
雅にぃはコーチからの説明に顔を曇らせたけど…
「気が付かずに申し訳ありませんでした…」って
深々と頭を下げて。
それからチームメイトのみんなにも「練習を
中断させてしまってごめんなさい」って
頭を下げていた。
心配して車の近くまできてくれた仲間にも
「心配かけてごめんね」「家に帰って休めば
すぐに元気になるから」「これからも2人のこと
頼むね」って、俺らに代わって笑顔で
伝えてくれて…
悪いな…って思うのに、素直にごめんなさいが
言えなくて。
車の中では3人とも無言…
それでもヒシヒシと感じる雅にぃの怒りのオーラ。
家に帰ってからもそれは変わらず。
雅「翔にぃに連絡しないといけないから
診察させて」
雅にぃは、俺の目を見ることなく体温計を
差し出してきて。
ソファーに座ったけど受け取らずにいたら
耳式のを突っ込まれた。
診察も業務的。
何も喋らず必要最低限の診察のみ。
雅「とりあえずそこで寝てろ」
ブランケットを掛けてくれたけど愛情はない。
自業自得だから、当たり前なんだけど…
いつもとのあまりの違いに心が折れそうになる。
本当は俺らのことなんて放っておいて自室に
行きたいくらいだと思うけど、何かあったら…って
心配があるんだと思う。
雅にぃはカウンターの椅子に座ったまま
過ごしてる。
話し掛けるなオーラが凄すぎて
俺も潤も口を開くことなんてできなくて…
本来なら、それでも謝るべきだと思うんだけど。
できない…
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作者名：空
| 作成日時：2016年10月26日 18時
