2361.【3】 ページ11
［雅にぃside］
それからも何度も
自傷行為を繰り返す潤。
和「…っ、んくっ、痛い、から、やめ、て…」
キッチンの壁を何度も拳で殴る潤を見て
和の目からも涙が零れる。
キッチンの壁はタイル。
タイルは冷たくて硬いだろうに…
翔「そろそろやめさせるわ…」
智「そうだね、骨折しちゃう」
翔にぃと智にぃは頷き合ってから潤の元へ。
さっきから近めで名前を呼んではいたんだけど、
一向にこちらには意識が向かなかったから…
「和のフォロー頼むね」って言われたから、
震える肩をそっと抱く。
そしたら「やっぱり…俺のせいかな？」って。
原因はまだ分かっていない。
真っ赤な目で「また俺、潤のこと苦しめてる…？」
って涙を零す和を抱きしめることしかできない。
俺の「そんなことないよ」なんて根拠のない慰めは
なんの役にも立たない。
しばらくしたら「離せ」「やめろ」って
潤の叫び声が聞こえてきて…
翔「もうやめろ…怪我するから」
智「分かったから…」
そんな2人の声が、必死に潤を宥めようとしてる。
和が自傷行為をしている時もそうだけど、あまり
刺激はしない方がいい。
でも、大きな怪我とか命に関わる時は別。
潤「…っ、はな、せ…」
翔「もうおしまい」
潤「…っ、んくっ、離せ」
智「終わりにするって約束してくれるなら
離せるよ？」
潤「…っ、んっ、うる、せ…」
翔「じゃあ、離せない」
ポロポロ泣きながらも体を後ろに引いて
智にぃと翔にぃに抵抗してる。
「…っ、あっ、かず…」
そんな潤を見ていて堪らなくなったんだろう…
和が俺の元から離れて、潤のところへ。
和「…っ、潤」
正面からギュッと抱き着いた。
攻撃的になっているし…ちょっとだけ心配
したんだけど。
潤「…っ、んくっ…かず、ごめ、ん…」
潤から出たのは、和を思いやる優しい言葉。
智にぃと翔にぃがすぐに手を離して…
和「…っ、ん、…ゅ、ん…」
潤「ごめ、ん、かず…、ごめ、ん…」
ギュッと抱き合う2人を見てたら安心。
だから、このままプラスの方向に進むかな…って
ちょっと期待したんだけど。
ドンドンドン…
「またやってるね…」
翔「ん、いこっか…」
夜中は頭を打ち付ける自虐行為を、やっぱり
やめられない。
そっと部屋に入って抱き寄せて慰めて…
一進一退だな…って落ち込んでたら、潤の口から
「俺は元気でいたら駄目なんだ…」って言葉。
なんだか少し、分かった気がする…
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作者名：空
| 作成日時：2016年10月26日 18時
