2346.【潤のストレス性胃腸炎】 ページ46
［翔にぃside］
和「…っん、んくっ…
や…、いきたく、ない…」
「すぐ戻ってこれるから。な？」
和「…っ、んっ、や…」
ここのとこ体調が優れなくて、グッタリしている
ことが多い和。
なるべく家で治療してやりたいけど、検査は病院で
受けさせないといけないから。
今日はエコーだけでいいんだけど、それを伝えても
リビングでひっくり返って拒否して
動いてくれない。
無理矢理に腕を掴めば、それだけで泣き声が大きく
なってしまうし…
そんな様子を、ソファーに座った潤が心配そうに
見つめている。
潤の傍には雅紀がついててくれてるけど
表情は暗い…
和「…や、んくっ…、…きたく、な、い」
智「大丈夫だよ、和。エコーだけしてもらって
すぐ帰ってこよう？」
和「…や、…かな、い」
潤「かず…」
俺にも智にぃにも助けてもらえないから、和の手は
潤の方へ伸びる。
そうなるとね、やっぱり辛いのは潤の立場。
助けてやりたくても、助けてやれない。
心配と不安ばかりが募って、苦しいと思う。
分かってはいるけど、俺らも潤と立場を代わって
やることも出来なければ、助けてやることも
出来なくて。
「ごめんな、潤。すぐ連れて帰ってくるから」
潤「…んっ、…約束、ね？」
ポロポロ泣く潤の頭を撫でて、泣いて暴れて
嫌がる和の腕を、智にぃと引いて家を出るしか
なかった…
［潤side］
病院から戻ってきた和は、翔にぃの腕の中で
眠っていた…
きっと、いっぱい泣いて疲れ果てたんだろうな…
って、そう思うと可哀想だし心配だし。
「熱、高いの…？」
和の体調はなかなか良くならなくて。
もしかしたら、また入院になるんじゃないか…
緊急手術もあり得る…？
不安が襲ってきたらきりがなくて。
だんだんと俺まで体調が悪くなった…
吐き気に腹痛。
微熱も続いているけれど、兄貴達には
気が付かれない様に必死に隠した。
和の傍にいられなくなるかもしれないことが
何よりも嫌だったし、こんなに大変な時に
俺が迷惑をかけるわけにはいかないと
思ったから…
明け方に襲われた吐き気に、ベッドの中で
耐え続ける。
「…っ、ん、ん…」
吐き気が治まってきた頃には涙が溢れていたことに
気が付いて…
スウェットの袖で涙をゴシゴシっと拭いて
呼吸を整える。
辛いのが全部、俺にきてもいいから…
和のことラクにしてやって欲しい…
そう思っているのに…
どうして俺より和を苦しめるんだろう。
どうして俺は和の力になれないんだろう。
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作者名：空
| 作成日時：2016年9月4日 17時
