2337.【3】 ページ37
［先輩side］
翔くんが風邪気味
だったのは知っていたけれど。
まさか救急に駆け込む程に悪化していたとは…
気管支の炎症が酷くて驚いた。
少し入院させて治療しておこうと思って
智くん達に話をする。
「このまま家に帰しても、安静にしてくれるとは
思えないし、心配だろ？」
智「…そうですね」
「翔くんの場合は、元からしっかり治して
おかないと、すぐ無理するから…」
智「ふふ…ですね」
意識消失していたから、入院になるだろうと
思ってくれていたらしく、和くんと潤くんは
落ち着けてる。
智くんも小さく笑ってくれたし、雅紀くんも
「俺、着替えとか用意してくるね」って
頼もしい反応をくれた。
和「せんせ…担当医、してくれ、る…？」
「もちろん。翔くんが嫌がらなければ。笑」
潤「大丈夫。翔にぃ、先生には逆らわないもん」
「だな！笑」
自分で言うのもなんだけど、見舞いに来る和くんの
ことも考えれば、俺が担当医になるのが一番いい。
翔くんも納得してくれると思うんだ。
もちろん、第一声は「そんな迷惑掛けるわけには
いきません」だったけれど。
「迷惑だと思うなら、1日も早く完治させて
退院しろ！笑」って言ってやった。
もちろん2人きりの時にね。笑
［和side］
翔にぃの治療は点滴と吸入。
それから、とにかく安静にすることだって。
智「ナースコールしたからね。頑張れ…」
咳はなかなか治らなくて、その度に呼吸が
危うくなるくらい咳き込んでしまう。
先生が駆け付けてくれて、点滴の側管から薬を
入れてくれると落ち着くんだけど…
智「汗、かいちゃったね。着替えよっか」
翔「…いい」
何度も苦しい思いをするから、うんざりなんだと
思う。
智にぃから顔を背けて、目を閉じてしまう。
そんな時も智にぃは何も言わず、黙って頭を
撫でてあげているけどね。
そうすると、しばらくして穏やかな寝息が聞こえて
くる。
コンコンコン…
先「どう？…寝れた？」
智「はい、お陰様で休めました。
ありがとうございます」
先「強がっちゃってね。笑」
智「はい。…んふふ」
2人のやり取りを見ていると、大人だな〜って
思う。
逆に、今の翔にぃは珍しく子どもっぽい。笑
今まで、俺らの前ではそういう姿を見せて
いなかったからかもしれないけど。
翔「いい…後で食べるから」
智「そう？じゃあ、ちょっと出てるね」
翔「…ん」
食欲がなくなった自分を見せることが嫌みたい。
俺らを病室から追い出して一人で食べてる…
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作者名：空
| 作成日時：2016年9月4日 17時
