5人で生きてゆく…part47 (ページ27)

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［雅にぃside］

潤を別室に連れて行った
後の話を、にぃ達から聞いて。

潤も葛藤してるんだな…って思った。

しばらくしたらICUにトボトボと戻ってきた潤。

「パン食べてきた？」って智にぃの言葉には
答えずに、真っ先にベッドサイドに座って和の
顔に触れて、それから静かにポロポロと涙を零す。

先「潤くん、おかえり。ちょっと診させてね」

そんな潤の背中に、事情を知っている翔にぃの
先輩がゆっくりと聴診器を当てる。

「触んな…」って声を上げて体を捩ったけど、
翔にぃが後ろから軽く動きを抑制して
診てもらってる。

聴診したり血圧測ったりすると、食事を摂ったか
どうか分かるんだって。

今回みたいに久しぶりの食事だったりすると
尚更分かりやすいみたい。

診察してくれた先生は「えらかったな」って
潤の頭を撫でてくれた。

それによって俺らは、潤がきちんと食事を
摂ったんだって分かった。

だけど潤はその手を払いのけて「元気になんて
なりたくない」ってさらに涙を零した…

庇ってもらった自分が元気でいることに
許せない気持ちでいっぱいなんだろうね。

俺らに出来ることはなんだろう…

［智にぃside］

潤「…っ、んくっ…、はな、せ、やめ、ろ…っ」

「じゅーん？点滴だけしてもらおう？」

翔「ごめん、しっかり抑えててね」

和の意識が戻らないまま1週間。

潤は相変わらず自分を責め続けていて、食事も
パンやおにぎりを少量食べてくれれば良い方で。

そんなんで体が持つはずはなく、今朝から微熱。

拒否を続けているけど、点滴をすることになった。

和よりも力のある潤を、俺と雅紀で抑え込むのは
かなり大変で。

翔が申し訳なさそうにしながらも先生にも
ヘルプを頼んだ。

先生は「俺も気持ちは家族だから。笑」って
笑顔で手伝ってくれて…

その気持ちが有り難い。

先「すぐ済むからねー」

潤「…っ、…んっ、んくっ…元気に、なんな、い」

泣きながら「やめろ」「元気にならない」って
訴えるけど、強行突破。

大人3人の抑制にはさすがに敵わないけど
それでも潤は抵抗をやめなくて。

その姿に、潤の思いの強さを思い知る…

潤「…っ、…わんな！触んな…」

「ん、分かった。嫌だったね…」

翔が先生と相談して、鎮静剤を入れてくれた。

針を抜こうとする手と格闘して数分、
潤は深い眠りに落ちていく…

雅「潤ちゃん、おいでね」

雅紀が抱きかかえてくれて、そのままICUを出る。

せめて、ゆっくり眠らせてあげたいから。