2324.【4】 ページ24
［翔にぃside］
よりによって
インフルエンザって…
もっと早くに連絡くれていれば、雅紀だけで
済んだかもしれないのに…
そう思うから、少し懲らしめてやった。笑
和室に布団を2枚敷いて、空気清浄機を2台
フル稼動。
和と潤には、なるべく和室には近付かない様に
伝えておく。
でもね、気になると思うから、襖はちょこっと
開けておくけど。
智にぃと雅紀には「寝てもいいよ」って
言ったんだけど、眠れないみたいだから先に
説教することに。
「座らなくてもいいから、こっち見てくれる？」
智雅「…」
熱のせいで潤んだ目がこちらを向く。
俺は2人の布団の間に座って、交互に目を捉えて
「どうしてすぐに連絡しなかったの？」って問う。
リビングのソファーから、こちらの様子を伺う
双子には気が付かないフリをして。笑
雅「だって…ただの風邪だったもん…」
蚊の鳴くような声で先に答えたのは雅紀。
「ただの風邪なら連絡しなくていいの？
そんな約束した？」
雅「…」
お前の言い訳は通用しねーよって、ちょっと
意地悪してみる。
「智にぃは？」
智「…」
ポワン…とした表情で俺を見つめたまま
目を潤ませている智にぃは無言のまま。
そんな様子を見て、雅紀が「俺が、言わないで
って頼んだの…」って。
「雅紀に頼まれたら言うこと聞くの？」
智「…」
「違うでしょ？智にぃ、俺と約束したよね？」
こっちにもちょっと意地悪。笑
智にぃは小さく頷きながら目を閉じてしまう。
その目尻からは涙がポロリと…
あーあ…
まぁ、いいや。
この際だから続けちゃえ。笑
「2人が、俺の仕事の邪魔をしないようにって
気遣ってくれたのは分かるよ？」
智「…」
雅「…ん」
「でも、悪化したり、感染が広がったら大変な
ことは経験してるよね？」
智「…」
雅「…ん」
「次からは約束守ってね？」
智「…」
雅「…ん、…めんなさい」
黙りの智にぃの横で、雅紀は一生懸命に
コクコクと。
可愛くて愛おしくて、思わず頭に手が伸びて
しまう。
智にぃは…拗ねたかな。
なんだかんだ、意地っ張りで素直にならないとこ
あるからね…笑
双子もソファーに座ったまま苦笑い。
何となく、こちらの状況が分かるんだろうね。
「もういいよ、寝ちゃって？笑」
雅紀の頭を撫でながら、智にぃの胸元をさする。
「俺の仕事のこと気にしてくれてありがとね」
寝落ちする直前でそう伝えたら、智にぃの口が
「ごめんなさい」って動いた。
一件落着。笑
END
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作者名：空
| 作成日時：2016年9月4日 17時
