2313.【5】 ページ13
［和side］
「じゅーん、
こっちおいでー？？」
潤「なにー？？」
「ボスまできたから、やってみ？」
潤「くはっ！やったぁ〜」
キッチンで智にぃに甘えてた潤は走ってきて
ニコニコで隣に座って、体をより掛けて
きながらゲームを始める。
無気力症候群になった潤は、すっかり甘えん坊。
というより、にぃ達が「思いっきり甘やかして
潤が望むように過ごさせてやろう」って
言っていて、自然にそうなった。
『勉強すること』以外には、やる気もあるし、
元気もあるし、食欲もある。
なんだか不思議な感じだ。
学校は好きだから行っているんだけど、勉強は
ストップしてる。
学校には智にぃが連絡してくれているから安心。
潤ならすぐに勉強には追い付けるから。
潤「やったぁ〜！倒した〜」
「ふふ…すごいじゃーん！」
潤「イェーイ！！」
ハイタッチする俺らを見て、にぃ達は優しい顔して
笑ってる。
このタイミングなら丁度いいかなと思って。
「宿題やっちゃおっと！取り行こ？？」
潤「…はぁーい…」
やるか、やらないかは潤の判断でいい。
とりあえず教科書とノートをリビングのテーブルに
広げたら、そこからは翔にぃにバトンタッチ。
［翔にぃside］
今日は数学の宿題があるみたい。
潤「わかんないもん…いい」
教科書をテーブルから払い落として、クタッと
俺に寄り掛かってきた。
「ん、潤が好きなことやろう？」
潤「…ん」
頷くものの、何かをしようとはしなくって
問題を解いている和を見つめてる。
やりたいのかなって…
「教えてやろっか？」
潤「…ん、やる…」
今度はラグに転がって、俺の膝に頭をのせて
甘えてきた。
和なら日常茶飯事だけど、潤は珍しい。笑
「いいよ、それで。教科書持って？」
ニコニコ嬉しそうな顔で見上げてくる潤に
教科書を持たせて解説していたら「やっぱり
勉強できて、翔にぃカッコいい」ってさ。
本気で照れるけど、すっげー嬉しい自分がいる。笑
それからは気が向けば、俺と宿題をこなす日々。
俺らの毎日はさほど変わらず、潤の状態も
変わらずだったけど…
雅「見てごらん、潤！更新されてるよ」
今回の原因になったブログ。
潤「ほんとだ…」
久しぶりに更新されていて、それもプラスになる
文章がビッシリ。
兄弟を失った哀しさを、乗り越えたみたいだ…
潤「人って強いね…」
「そうだな」
このブログの更新をきっかけに、潤は少しずつ
勉強することへの意欲を取り戻すことになる。
END
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作者名：空
| 作成日時：2016年9月4日 17時
