2113.【3】 ページ13
［智にぃside］
和「じゅん…
どうしたの…？」
潤がソファーで背中を震わせて泣き始めたところに
和が2階から降りてきた。
翔が寄り添って背中をさすっているから、和は
潤の元ではなく、ダイニングの方へやってきて
俺のことを見上げて不安そうに瞳を揺らす。
「手がね…震えるんだって」
頭を撫でながら教えたら「酷くなってるね…」って
悲しそうな顔をする。
「翔が診てくれるから大丈夫」
和「…ん」
「和のせいじゃない。責任を感じるな」って
言っても無駄だろうし…
でも責任を感じて悲しくて辛そうな顔をする和を
見ているのが堪らなくって抱き寄せる。
「だいじょうぶ…」
和「…っ、んっ…、んくっ…」
すぐに背中にギュッと手を回して、しがみ付いた
和はヒックヒック泣き始めて…
和「…っ、ん…、…めんね、…る？」
「んーん。しなくていいよ。和のせいじゃない」
「ごめんねする？」って聞いてくる和の気持ちを
思うと、やっぱり堪らない。
潤が落ち着くのを待って「心配だよな、ごめん」
って、和のところに来てくれた翔。
翔「明日、病院にしよう。カウンセラーに
相談して薬もらえば少しラクになるはずだから」
「行くって？」
翔「いや『行かない』って言ってるけど…」
ソファーに寝転んだ潤は、腕で顔を隠して
「とりあえずご飯食べよう？」って
俺らの言葉にも応えようとはしないから。
仕方なく、4人で先にご飯を済ませて
雅紀に頼んで、和をお風呂に誘ってもらった。
「じゅーん、おいで。ご飯食べよう」
翔「今のうちに食べちゃおう？おいで…」
翔が腕を引いて、半強制で起き上がらせたら
ちょっと不機嫌そうな顔。笑
それでもさ、やっぱり考えるのは和のことで
「風呂から出てくる前に食べたいから、
手伝って欲しい」って伝えてきて。
翔が隣に座って、手の震えを見ながら適度に
フォローしてくれる。
見てる限りでは、ずっと震えてる…って感じでは
ないから自分で食べることも出来ていて。
俺は正面に座って、メインのおかずの生姜焼きを
フォークで一口で食べれる大きさにしておく。
「んふふ…美味しい？」
潤「…ん。うまい」
ポロッと零れた涙は見なかったことにして…
それに時々、こめかみを抑えて痛みに耐える様な
仕草をすることにも触れずに。
翔と目を合わせて頷き合う。
潤「ごちそうさま…」
食欲はあるみたいで完食してくれたから、
そこんとこは、とりあえず安心。
後は病院の説得だね…笑
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作者名：空
| 作成日時：2016年2月10日 18時
