1957.【昼寝中の出来事part2】 ページ7
［雅にぃside］
今朝の和の体温は37.3℃。
いつも体温が低めの和にとっては辛いはず。
それなのに「学校いける」「学校行かせろ」って
駄々捏ねて、翔にぃが「いい加減にしろ！」って
一喝。笑
シュンとして…シュンとして…
和はソファーから動かなくなった。笑
翔「わりぃ。笑」
「あひゃ！任せて」
苦笑いの翔にぃは、そんな和を俺に託して出勤。
潤も和のことを気にしながら「早めに帰って
くるからな！」って出掛けていった。
智にぃは午前中だけ打ち合わせで、早朝から
家を空けているし。
「かーずちゃん？笑」
必然的に、俺がヘソ曲がりの面倒をみるって
わけで。笑
「ゲームでもする？それともお腹空いた？」
和「…」
「…笑。じゃあさ、先に採血だけさせて
もらおっかな」
和「…」
微動だにしない和を一先ず置き去りにして、
簡易採血が出来るように準備を済ませる。
翔にぃがやろうとしたら「触んなっ！」って
興奮気味で拒否したから、託されたんだよね。
「さてと…やっていい？」
和「…め」
「ん？」
和「だめ」
俯いていた顔を上げて、俺の腕を掴んできた
和の目からは涙が零れそう。
でもそれは、採血が嫌だからではなくて
翔にぃに叱られたことによる涙でしょ？
「翔にぃね、午後の外来終わったら
すぐ帰ってきてくれるんだって」
和「…んと？」
「ん、ほんと」
和「…こって、ない？」
「あひゃ！そんないつまでも怒ってないから
大丈夫。でも、謝りなね？」
和「…ん」
へへ！可愛い奴。笑
今の一部始終、動画で撮影して翔にぃに
送ってあげれば良かった。
きっと、早退して飛んで帰ってくるよ。笑
和は零れそうになった涙を服の裾で拭きながら
「いい子にしてる」って小さく笑う。
落ち着いてくれたから、簡易採血もパパッと
済ませられて一安心。
その後は何かと「雅にぃ」「まさにぃ」って
後ろを引っ付いてきてたけど、昼食後には
それも少し落ち着いて。
「あっ、…寝そう」
昼食の片付けを終わらせて、ふと見たら
和はソファーでコックリ、コックリ…
ゆっくりと体を倒したら「んん…いて？」って。
「ん、居るから大丈夫。おやすみ」
そっと頭を撫でてブランケットを掛ける。
しばらくは俺の服の裾を握っていたけれど
数分経つと、スースーと安定した寝息が
聞こえてくるようになった。
この時は、和を家に置いて出掛けるつもりなんて
これっぽっちもなかった。
『予約のストール入荷しましたよ』って
電話がくるまでは…
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作者名：空
| 作成日時：2015年9月4日 6時
