1989.【4】 ページ39
［翔にぃside］
病院では、人手不足が
ちょこっと続いて…
和の病気のことではマイナスの情報ばかりが
舞い込んできて…
智にぃと約束したのに、しっかり休めない日が
やっぱり続いた。
病院で、先輩の目を盗んでこっそり点滴。
点滴の効果は抜群だから、頼れるものなら
頼りたい。
そう思ったから…
でも、先輩の監視を交わしても家にはもっと
厳しい監視をする人がいた。笑
智「翔…？したんでしょ、点滴」
「…」
智「ちゃんとに、休んでないでしょ？」
靴を脱ぎながらフラついたら指摘される。
「…ん、…めんなさい」
智「何がごめんなさいなの…？」
あ、今日の智にぃは意地悪だ…笑
雅紀も仕事でいないし、双子も学校でいないから
このまま説教かも…
そう思ったら逃げたくなって「着替えて
こよっかな…」って言葉が口から飛び出したけど…
智「ん、着替えよう。一緒にいく」
「えっ…」
まさかの宣言に、ほんとに唖然…
「着替えにいく」って言ってるのに「一緒にいく」
って、どういうこと？？
頭が？でいっぱいになりながらも部屋まで
歩いてきて、服を脱ごうとして気が付いた…
俺の腕に注がれる厳しい視線。
智にぃは、点滴の痕を確認する為に一緒に
付いてきたんだな…って。
智「早く着替えな？待っててあげるから」
「…」
智「脱がしてあげようか…？笑」
「…っ、いいっ！」
ほんとに、とことん意地悪なんだから…笑
伸ばされた手を払ったら「くふふ」って笑い出す。
智「ふふ…。素直に自白すれば、こういうことに
ならないでしょ？」
「…は、い」
智「見せてごらん？…いっぱい刺したの？」
「…ん、ん。先輩に叱られてからは2回だけ…」
服の袖を抜いて、腕を出しながらベッドに
座り込む。
もうね…降参。笑
智「無理し過ぎは駄目だよ？」
「…ん」
智「薬入れなきゃ辛いなんて、限界な証拠」
「…ん」
智「そうでしょ？」
「…ん」
コクンと頷いたら「よしよし」って頭を
撫でられる。
智にぃって、やっぱり優しいな…
そう思って身を委ねようとしたのに…
智「早く着替えちゃいな。ご飯食べたら
お説教だから。笑」
前言撤回。
いじわるばっかりするんだもん。
その後は、体の怠さとお説教が嫌でグダクダする
俺の着替えを手伝ってくれたけど。
智にぃに叱られるのは俺だってドキドキする。
いつもはフニャッとしてるのに、厳しい目に
なって怖いんだもん…
すぐに謝ったら、優しくしてもらえるかな…笑
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作者名：空
| 作成日時：2015年9月4日 6時
