1968.【学校生活が不安】 ページ18
［潤side］
和「ボールいくよ〜」
元気に張り切って体育を楽しむ和を見ると
俺まで嬉しい気持ちになる。
今日は朝から体調も良くて、薬の飲み忘れもなくて
水分もきちんと制限していた。
それなのに…
和「…っ、ごめ…、…ラクラする…」
体育の中盤で急に不調を訴え始めた。
そこから悪化するまであっという間…
和も想定外だったみたいで、気持ちがついて
いかなくて不安気で。
体調不良を訴えてから数分で、校庭に倒れ込む
までに悪くなった…
保「和也くん？…分かる？」
和「…ん」
駆け付けてくれた保健の先生には何とか頷いて
みせた和だけど、カタカタと手を震わせてる。
保健室に運ばれて、結局そのまま早退することに
なってしまった。
智「家でまた詳しく教えてね」
「ん、分かった」
和「…ゅん、…めんね…」
智にぃに支えられて歩く和の背中は
いつもより、もっともっと小さく感じる。
それに、この表しようのない不安…
発作でもないし、何の前兆もなくこんなに急に
倒れ込むことは今までなかった…
だからきっと和は、俺以上の不安を抱えて
いたんだよね。
［智にぃside］
学校からの連絡で保健室に急行した。
こういう時、気持ちばかりが焦ってしまって
どうにもならない。
和はベッドで目を閉じて、唇を噛み締めていた。
それは、不安やストレスが強い時の表れ。
近くに寄って頭を撫でながら、そっと話し掛ける。
「かず…？迎えにきたからね…」
和「…」
「…どっか痛い？」
和「…んーん」
和は車に乗った後も「急に」って言葉を
何度も繰り返して…
隠していたのがバレると怒られるから…とか
そんな感じじゃないのは、すぐ分かる。
何の前触れもなく、急激に体調が悪くなった事が
不安で仕方ないんだろうね…
和「…っ、…え、家が、いい…」
「翔も心配してるから、ちょっと診てもらおう？」
和「…っ、ん…、かえり、たい…」
ポロポロ泣き出した和を宥めつつ、翔の待つ
診察室まで支えて歩かせる。
翔は「これて偉いね」って頭を撫でてやって
診察を始めてくれた。
ここでもやっぱり「急に」って言葉を
繰り返す和。
「心配だからやってみような」ってエコー検査を
受けてみたけど、結果は異常なし。
翔「よし、大丈夫そうだな」
和「…ゃあ、なんで…？」
翔「…ん？」
和「…んで急に、具合わるく、なったの？」
翔「…」
翔は顔を曇らせてから「正直分からない」
「家で少し様子みさせて」って。
和は再び、唇を噛む…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1603人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2015年9月4日 6時
