1648.【2】 ページ48
［智にぃside］
和のことを心配して
出勤を少し遅らせた翔。
和は「休めばいいのに〜」なんて言って
思いっきり甘えてた。
洗濯物を干しに庭に出たら、あらしを抱っこして
寄ってくる。
「これ終わったら、パン買いに行こっか。
メロンパン今朝食べたので最後だから」
喜ぶかな…って思ったんだけど。
和の返事は「どうしよっかな…」だったから
「気が向いたら行こう」って軽く誘っておいた。
洗濯干しを終えて、少しのんびり。
自室に戻っていた和が「ねぇ、ハロウィンのパン
まだあるかな？」って駆け寄ってきて。
「ハロウィンの前だからあるんじゃない？」
和「買いに行きたいっ！！」
「みんな美味しいって言ってたもんね？」って
はしゃぎ出した。笑
10月から売り出した期間限定のパン。
試しに買ってみたら美味しくて、みんなが絶賛
してたから。
「じゃあ、いこっか。あらしも？」
和「うん！連れてく〜」
あらしに、雅紀が買ってきたハロウィン仕様の
ベストを着せて「いこっ！」って飛びっきりの
笑顔で笑う和。
どんなカタチでも良いからさ、こいつには
やっぱり笑ってて欲しい…
［翔にぃside］
「やっぱ美味いわ、これ。」
和「夕飯の後に、よく食べれるね〜」
ハロウィンのパンはやっぱ美味しい。
首に巻き付いてきながらニコニコしてる和は元気。
でも昼間の智にぃの話だと、やっぱり人目を
気にしてしまっていることが分かる。
キョロキョロして落ち着かなかったって言ってた。
「すげー、美味いわ。ありがとな、かず」
和「うん！一口ちょうだい？」
「はは！ほれ。笑」
ちぎって口に入れてやれば、すごい幸せそうに
モグモグと口を動かして。
「明日は翔にぃ休みでしょ？」って甘えてくる。
「休みだけど…学校行かねーの？」
あまり聞かない方が良いって分かってはいるけれど…
やっぱり気になってしまうから。
和「ん…、…したも、やすみ、たい…」
小さく小さく呟いた和は「行かなくても、
いいでしょ？」って背中にくっ付いてきた。
「ん、行かなくてもいいよ。行きたくなったら
行けばいい」
和「…のね？…とったのが、気になる」
「ん。」
和「…もだちにも、言われた、から…」
そう言ってシュン…と肩を落とした和は
俺の隣に座った。
様子を見てくれてた智にぃが寄ってきて「いいよ、
俺ら分かってるから」って和の肩をさする。
和「…も、でも、外見、じゃないって、
分かって、る、から…」
「ん、そうだね…」
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作者名：空
| 作成日時：2014年10月3日 6時
