1636.【4】 ページ36
［翔にぃside］
「潤も一緒でいいから。
かず？少し落ち着こう…
苦しくなっちゃうから」
智にぃに抱えられて処置室まできた和だけど
ベッドに降ろされた瞬間に、潤にしがみ付いて。
「いやだ」って繰り返して呼吸を乱す…
潤「大丈夫だよ、かず。ラクにしてもらうだけ」
和「…やだ、…える」
潤「知らない人いないよ？」
和「…っ、ん…、…えり、たい…」
潤の言葉で少しだけキョロキョロと周りを見てくれた
和だけど、無機質な処置室はやっぱり恐怖…
再びギューッとくっ付いてしまう。
落ち着いてくれるなら、どんな方法でもいい。
「とりあえず座っててもいいや。潤も隣に
座ってあげてくれる？」
潤「ん、分かった。かず？手繋いでるからね」
並ぶようにベッドに上がってくれた潤。
自分も不安だろうに和の背中を一生懸命に
さすって「大丈夫だから」って声を掛けてくれる。
「いやだ」と「じゅん」を繰り返していた和も
次第に落ち着いてきて…
「よしよし、大丈夫だからな…」
和「んっ、…るだけ」
「ん。診るだけ。何もしないから」
聴診器を当てさせてくれた。
血圧も上がってきたし、脈もしっかりしてる。
発作に繋がる可能性も小さいかな。
そう伝えたら、みんな安心した顔をしてくれて。
もう少し落ち着いたら眠る前に点滴をして
終わったら連れて帰ってやろう。
そう判断した。
［和side］
学校で具合が悪くなって、色んなこと不安で…
だけど、潤がずっと傍に居てくれた。
色々分かってくれてるから、俺の安心できる方法で
尚且つラクな方法を選んでくれて。
潤のその優しい心遣いが、俺の気持ちを落ち着かせて
くれるんだ。
眠りそうになったところで刺される点滴。
病院だと「刺される」ってことが、家の何倍も
恐く感じて。
でもね、潤が言ってくれたんだ。
「傍にいる人達は家と同じだろ？」って。
「頭の良い和なら分かるだろ？」って。
そう言われて頷いてる間に、点滴の処置は
終わっちゃってた。笑
「…じゅん、ありがと…」
頷いて優しく笑い掛けてくれた潤の手をキュッと
握って目を瞑る。
潤「頑張ったね、かず。」
俺のがお兄ちゃんなのに、潤の奴、勘違い
してない？笑
そんなことを思いながら眠りにつく。
いつまでも頭を撫でてくれる手を感じながら…
今日だけは潤の弟でもいいかなって。笑
でも、潤に何かがあった時は俺が全力で守るからね。
それは、潤のことが、自分よりも大切で
守りたい存在だから。
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作者名：空
| 作成日時：2014年10月3日 6時
