1618.【3】 ページ18
［雅にぃside］
最近、仕事が忙しい。
俺もやっと少し先輩。笑
グループリーダーを任されたり、責任のある仕事も
増えたから。
でも俺ってこんなんじゃん？笑
だから、いっぱいいっぱいになっちゃって。
園長先生にも先輩にも、さらには後輩にまで
助けられる毎日ってわけ。
充実してて楽しいんだけど、どっかで余裕が
なくなってしまっていたのかも…
もちろん、和のことも変わらず大事に思ってる。
ただ無駄に構う余裕がなくて、その結果…和が
『何かしちゃったのかな』『怒ってるのかな…』って
気にして遠慮したりしてるなんて、考えもしなくて。
和がスキンシップを求めてこなくなったから
俺も自然と無駄な動きが減って。
俺の動きがシンプルになったから、和は益々
俺との間に距離を感じて…
そんな悪循環で和の不安は募ったんだろうね。
早い段階で一言でも不満をぶつけてくれたら
「そんなことねーよ」って。
「勘違いだよ？」って伝えてやれたんだけど
俺の態度が良くなかったから、和はそれさえも
口に出来なかったみたいで。
『雅にぃを怒らせないようにしよう』
『嫌われないように良い子でいよう』
そんな風に思わせてしまっていたんだね…
［翔にぃside］
最近の和は一言で言うと良い子。
聞き分けもいいし、表への記入も漏れがなくて。
『何かあったのかな…？』って智にぃと話したりも
したんだけど、それ以外の変化が特にないから
すごく気になるってわけでもなくて。
和「ご飯運ぶね〜」
智「あ、ありがと〜」
夕食前の配膳も進んで手伝う。
これも、楽しそうにしてる様に見える。
仕事が忙しそうな雅紀のことを気遣って、率先して
手伝ってくれてたみたい。
そういうこと、一言も口に出さないから…
たぶん「雅にぃ忙しそうだから」って口に
することにさえ、遠慮を感じてたんだろう。
ただただ良い子でいたい。
雅紀に迷惑を掛けたくない。
嫌われたくない。
そんな思いで必死だったのかなって思うんだ。
そう思ってしまうのは、やっぱり病気のことで
引け目を感じている部分があるからだと思う。
だからこそ、俺らが気が付いて「そんな訳ない
だろ」って。
雅紀に確認して証明してやるくらいのことを
してやったら良かったんだ…
だって雅紀が和に対して、そんな感情を抱くはず
ないんだから。
マイナス思考になって、どんどん悪い方向へと
考えてしまう和を止められるのは、俺らだけ
だったんだから…
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作者名：空
| 作成日時：2014年10月3日 6時
