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［翔にぃside］
智「ほら、帰るよ…？」
潤「…やだ。まだ、…たい」
智「泊まれないもん…」
潤「…っ、なんで、おれ、とまれない、の…」
智「未成年だから。笑」
面会の時間が終わってしまうのを
受け入れられない潤は、ICUの床に座り込んで
「まだ居たい」って泣いてるんだ。
智「ICUには俺らも泊まれないよ？今日は
みんなで帰ろう？」
潤「…だ、…えりたく、ない…」
潤があんまり泣くもんだから、情緒が安定して
いた雅紀まで「かず…」ってポロポロ
泣き出した。
智「ほら…そんなに、みんなで泣いてたら
和が心配しちゃう。」
潤「…れ、ここに、とまる…」
智「ムチャ言わないの…、じゅん？」
寝転がりそうな勢いの潤を慌てて止める。
俺に腕を掴まれた潤は「嫌だ」「離して」って
ちょっと興奮状態。
「分かったから、じゅん…」
抱き締めようにも「帰らないっ」って抵抗
してきて…
「とりあえず出してもいい？」
智「ん、おっけい」
無理矢理だけど、智にぃと2人でICUから潤を
連れ出す。
「和のとこいく」って繰り返す潤を廊下で
宥める。
「雅紀が…笑」
智「んふふ…連れてくる。笑」
こんな大騒ぎしてるのに、雅紀は和のベッドに
張り付いて泣き続けてて。
智にぃに連れられて泣きながら出てきた。笑
智「さて、夕飯どうしよっかな〜」
車に乗ってから智にぃが運転して
明るく振る舞ってくれて。
俺は後部座席で、雅紀を左手で宥めて
右手には潤を抱えて。
潤「…っ、ん…、…まりたかっ、た…」
「ん。そうだね、傍にいたいもんな。」
潤「…っん、ん…っ、ん…」
顔を押し付けて甘えてきて、すっかり末っ子に
戻ってしまった潤。
上手く気持ちが切り替えられなくて、自分でも
分からなくなってる部分が大きいと思うから。
今は気持ちに寄り添ってやるしかない。
雅「…っ、…っん…ず、かず…」
「まさき、また明日な？」
雅「…めん、ごめん、…ず…」
雅紀は和が苦しんでる時に、傍にいられなかった
ことに大きな罪悪感を抱えてる…
カウンセラーにも相談したんだけど「和くんの
意識が戻るまで落ち着けないかもね」って
言われて。
この状況では、どんな言葉を掛けても
気休め程度にしかならないからね。
でも「受け止めてあげることは大切だよ」って
言われたから、それは智にぃとも話して
忘れないようにしているんだけど…
智「夕飯まで翔も休んでおいで？」
「ん、ありがと…」
家に着いて、智にぃの優しさに甘える…
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作者名：空
| 作成日時：2014年8月7日 12時
