1544.【44】 ページ44
［雅にぃside］
また微熱のワガママ王子。笑
今日は夕方まで俺が付き添い。
何かあったら…って少しの緊張感もあるから
つい干渉してしまう。
和はそれが嫌で拗ね気味。
それでも俺とゲームで遊びたいらしい。笑
和「これ、一緒にやろっ？」
「ゲームは一旦終わり。休憩して？」
和「むぅ…さっき1時間も休憩したじゃん…」
「和は休憩するのが仕事。」
和「んぅ…違うもん！！」
「違くないの！笑」
和「…っ、あぁ…。ぶぅ〜…」
ゲーム機取り上げたら、思いっきり膨れる。
そんなやり取りをしながらも、それなりに
楽しく過ごしてた。
甘えん坊さんだから可愛いしね。
だけど昼食後に嘔吐してしまって。
気持ち悪さが抜けないみたいで、吐き終わった
後も辛そうにしてる。
「今、先生くるからね…」
背中をさすりながら声を掛けたら
「翔先生じゃなきゃ嫌だ！」って首を振る。
「今日は大事な仕事があるって言ってたでしょ？
和が好きな先生だから大丈夫」
来てくれるのは、もちろん翔にぃの先輩。
だけど和はポロポロ泣いて、無駄な抵抗を
繰り返す。
先「軽く診させてもらえればいいから。
ごめんね〜…」
和「…だ。…んきだもん。いーの…」
「ワガママ言わないの。」
和「げんき、…んき、なの…」
パタパタ振る手を抑え込んで、先生に聴診して
もらう。
ヒックヒック泣いて可哀想だけど
こればっかりは、仕方ない。
先「大丈夫。心音は問題ないよ？ただ、ちょっと
血圧が低いね…。」
先生は「吐き気が治まらなくて、あんまり
辛いようだったら使ってね」って座薬を一つ
置いていったくれた。
この座薬で和があんなに拗ねるなんて、この時は
思ってもいなかった。笑
俺は、和を託されて少し心配で気も張って
いたから…
それに加えて和の調子が悪くなってきたから
もう不安になっちゃって…
俺の悪い癖。笑
先生も「大丈夫」って言ってくれたし「いつでも
呼んでね」って言ってくれてたのに。
一人で焦って空回りで、和の気持ちなんか
聞いてやることもしなかった。
「気持ち悪くなったら言えよ？」
和「…」
「隠しても分かるんだからな？」
和「…」
診察ですっかり心を閉ざしてしまった和。
俺の言葉に反応もしないで、ヒックヒックと
肩を動かしてまだ泣いてる…
「かーず…大丈夫だから。寝れるなら
寝ちゃいな？」
そっと背中に手を当てて、とりあえず眠らせる。
座薬は起きてからの様子次第かな…って思って。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 702人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2014年8月7日 12時
