5人で生きてゆく…part31 (ページ37)

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［雅にぃside］

翔にぃと俺らで
作戦を立てて、和を説得出来る様に
頑張ってみたんだけど…

和「…わい、もん。やらない…」

和は首を縦には振らない。

翔「ずっとそのままってわけには、いかねーよ？
それは、この間も話したよな？」

和「…も、でも、…わい、もん…」

屋上のご褒美作戦は有効だと思ったんだけど
恐怖心の方が勝るみたい。

「抜く」って処置だけど、和からしたら
例の検査の記憶も蘇ってくる「恐い処置」に
なってしまうんだろうね。

翔にぃがちょっと迫っただけで泣き出して
しまって…

和は「抜かなきゃいけないなら、もっと早くに
抜いてくれたら良かったのに」って泣いて
智にぃに訴える。

和が言いたいのは「意識が戻る前に」って
事だと思うんだけど…

和「…ょにぃが、早く、して…れたら」

智「かず…？和が元気になるまで必要な点滴
だったんだよ？そんな早くは抜けないよ？」

そこは智にぃが上手くフォローしてくれてる。

和「…だ、…んき、じゃな、い…」

智「んーん。和がいっぱい頑張ってるから
もう必要なくなったんだって。」

和は抜かれたくないから「元気じゃない」って
しゃっくり上げながら訴えて…

智にぃは「和がえらかったから抜けるんだよ？」
って背中をさすりながら根気強く伝えてる。

それでも和は、嫌々って首を振り続けて…

上手く落ち着いて、納得してくれたら
これから抜く処置をする予定だったんだけど
和が受け入れられないから断念。

だけど翌日になっても状況は全く同じ。

結果、いつまでも引き延ばしても和の気持ちが
落ち着かないし、心の負担にもなるから…って
事で、強制的に抜いてしまう事に。

その代わり、和にはきちんと「これから
抜く処置をするからね？」って伝えてから。

騙す様な進め方はしたくないからね。

だけど察しの良い和は病室の空気を敏感に感じて
話しをする前から「何もしないで」って
訴え始めて。

翔にぃが「今から点滴外しちゃおうね」って。

「パパッと抜いてあげるから」って。

伝えたもんだから、どんな恐ろしいこと
されるんだ…ってくらい猛抵抗。

智「だいじょーぶ。すぐ終わるから…」

起き上がろうとする体を、ベッドに仰向けにして
抑制する。

こういうことが検査を思い出させてしまうん
だろうなって思うけど。

針が抜けるまでは危険だから、大人しく
寝転ばせておかないと駄目だし…

「かず。だいじょーぶ…」

安心感を与えたくて、とにかく声を掛ける。