1535.【35】 ページ35
［潤side］
自分達のお昼ご飯を
買って、適当に時間を潰して
和の病室に戻る。
翔「あ、おかえり。終わったよ？」
空っぽになったトレー。
後はリンゴだけみたいで、和は俺らには
見向きもせずに口を開けて待ってる。笑
翔「はいはい、お待たせ」
翔にぃがスプーンで口元に運べば、パクッと
食べて満足そうにモグモグしてる。
やっぱり俺らがいない方が上手くいくんだよね。
和だけじゃなくて、翔にぃも俺らがいない方が
照れずに済むしね。
内緒だけど。笑
翔「美味しかったね。ごちそう様でした。」
和「ごちそうさまでした」
ちゃんと手を合わせて。笑
えらい、えらい。
雅にぃがトレーを下げに近付いて、ようやく
俺らの存在に気が付いた和。
智にぃに向かってニコニコして手を伸ばす。
智「えらかったねぇ〜」
和「んふふ…トイレいく」
「だっこ〜」と言わんばかりにニコニコ。
智「車椅子まで歩いたら？支えてあげる」
和「んーん。帰り、あるく〜」
翔にぃが智にぃに向かって頷く。
智「よし、じゃあ行こっか。おいで…」
数日振りに智にぃの抱っこなんじゃないかな。
和の嬉しそうな顔を見て、周りのみんなも
笑顔になる。
雅「車椅子持っていこっか？」
智「んーん。帰りもドアの所までは、これで
いいや。ね…？」
和「うん！んふふ…」
和は力が入らないなりにもキュッと抱き付いて
「いこっ」って笑う。
智にぃも嬉しいんだよね。
「重い」とも言わず、帰りも抱っこして
あげるみたい。
上機嫌でトイレから戻ってきた和は、約束通り
ドアの所からベッドまで支えられながら歩いて
「潤？ゲームしよっ！」って。
指に力も入らないから、俺が操作するのを
見てるだけなんだけど、ずっとベッドサイドに
置きっ放しだった小包みも開けられてる。
「潤が先にやっていいよ！」って言われたけど
これは和が出来る様になってから一緒に
やりたいからね。
操作出来る様になるまで待ってることにした。
「ここ、どこ入れるんだっけ？」
和「そこ！そこの土管！！」
「おっけ〜。あっ、やばっ！！」
和「きゃはっ！！」
見てるだけなのに、こんな声出して笑うん
だもん。
俺らはそれだけで、ほんと嬉しくて。
だけど、そういう時間ばかりが続くわけでは
なくて…
夕方のトイレは歩くのを渋って動こうとしない。
ベッドに腰掛けたまま、支えようと伸ばされる
手をペチペチ払ってご立腹。笑
「足が疲れた」「足が痛い」って駄々捏ねて
動くのを拒否してる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 702人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2014年8月7日 12時
