1524.【24】 ページ24
［翔にぃside］
「こら。笑
零れるって…」
根気強くスプーンを近付けていたら
口を開けてくれるようにはなった。
だけど、小さい口をちょこっとだけ。
スプーンすら入らない。笑
和「くふふ…」
智「じゃあさ、俺らもご飯にするから
一緒に食べよっか」
和「んーん…、…てほし、い…」
智にぃに抱き起こしてもらって、後ろから
抱えてもらってるから、このままが良いんだって
さ。笑
甘えん坊さんになっちゃって。
「だったら食べたら良いじゃん。ほら。」
和「むぅ…」
「むぅ…じゃなくて、あーん？笑」
和「…あー」
また小さい口だけど、上手くスプーンを
滑り込ませてやったら、ゴクンって喉が動く。
「えらい、えらい。」
とりあえず一口だけで、しばらく様子を見る。
「トイレ行っておこうか？」
和「ん。いく…」
頷いた和は当たり前の様に、俺に向かって
軽く両手を上げて「してっ？」って呟く。
正直、抱っこはちょっと戸惑うんだけど…笑
「いいよ、おいで。」
抱き上げればコアラみたいにギュッと
抱き付いてきて…
安心するんだろうな…って思う。
「さてと、マッサージしようか。」
トイレを済ませてベッドに寝せようとしても
抱き付いたまま離れたがらない。
「このままじゃ俺の腰が…笑」
智「んふふ…」
笑った智にぃに支えてもらいながら
和を抱いたままベッドに腰掛ける。
背中にポンッポンッてリズムを刻んでいたら
ずっしりと重たくなって…
智「寝たみたいよ？」
クタッとした和を、もう一度抱き締めてから
ベッドに寝かす。
こうやって温もりを感じられることが何よりも
嬉しくて…
隣にいる智にぃも同じ気持ちみたい。
和の手を握って、自分の胸にくっ付けて
優しく笑ってる。
俺らはなるべく和の傍に居たくて、売店で
買ったパンとおにぎりを適当に食べて…
だって目覚めた時には傍に居た方が良いでしょ？
和「…ん。…っこ」
ほらね？笑
やっぱり抱っこをねだってくる和を抱き上げて
昼食の重湯を口に運んでやる。
朝ごはんに一口食べたけど、特に異常も
なかったから、今度は器の半分くらいは
食べさせて様子を見る。
「かず？ちょっと一人で座ってごらん？」
ベッドの背もたれを倒して、俺に寄りかかって
いた体も少し離して、座らせてみる。
どこにも凭れられない体はフラついて
クタッとベッドに倒れこむ。
「一人で座るの、きつい？」
和「力、入らないもん…、ここも痛い…」
床擦れしている、お尻も痛むみたい。
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作者名：空
| 作成日時：2014年8月7日 12時
