1522.【22】 ページ22
［翔にぃside］
目覚めた直後は
苦痛で表情を歪ませた和。
だけど、状況が分かってからは甘えん坊さん。笑
思うように動かせない手を少しだけのばして
智にぃに何かを訴えてる。
智「抱き起こして平気？」
「ん、ゆっくりね。手伝うから…」
智にぃは和の気持ちを汲み取ってくれて。
ベッドサイドに座って、抱き起こした和を
腕の中におさめた。
智「ほーんと、よく頑張ったね…」
和「ん、ん…」
智にぃの胸に顔を押し付けて、たっぷり甘えて
温もりを伝えてもらってる和は幸せそう。
3週間以上も寝たきりだった代償は
不調となって、体のあちこちに現れるけど
これなら乗り越えてくれるかな…って
ちょっと安心した。
先「よかったね、和くん」
様子を見にきてくれた先輩を見上げて
ニコッと笑う姿は、俺らがずっと会いたかった
和だ。
先「落ち着いてるね、よかったな」
「はい…、ありがとうございました」
先輩によくよく御礼を伝えて、ICUには
5人だけが残った。
「今日だけはこの部屋で我慢な？」
俺の言葉に、和はギューッと智にぃに
しがみ付いて「嫌だ」って意思表示。笑
「ずっと居てやるから。な？」
和「…ん、んーん…」
「大丈夫。ね、智にぃ…？」
智「ん、だいじょうぶ。眠るまでずっと
こうしてるから…。ね？」
和「…」
頷きはしないけど、智にぃにグリグリっと
頭を押し付けてる。
智「かず、痛いところは？」
和「…ん、…て、ほし…」
智「ん、分かった、わかった。居るからね…」
今は体の痛みよりも、1人にされるのが
嫌みたいだから、このまま寝かせた方が
良さそうだね。
智「ほら、みんな居るよ…？」
和「ん、ん…」
智にぃが背中をさすって、みんなで体に
触れ始めたら泣き出してしまった和。
まだまだ不安な気持ちが大きいんだよね。
智「だいじょうぶ…」
和「ん…ん…」
智「また明日、こうしてあげるから…」
和「…っ、ん…」
和が落ち着き始めるのを見計らって、点滴から
薬を追加してやる。
だんだんウトウトし出した和は、智にぃに
しっかり掴まったまま寝息を立て始めて…
もう一度、投薬してしっかり眠らせる。
先「今夜は俺に任せて、家でゆっくり
休んでおいで？」
様子を見にきてくれた先輩に和を託す。
目覚めた日に、先輩の当直だなんて和は
ラッキーだね。
俺らも安心して託せる。
潤「かずー、また明日ね！」
雅「明日ね〜」
智「明日ね。早めにくるからね〜」
みんなで頭を撫でて病院を出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 702人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2014年8月7日 12時
