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［智にぃside］
翔とテレビを観て
リビングでのんびり。
突然、鳴り響いたコール音で
勢い良く立ち上がった俺ら。
潤「かずが！！」
潤の切羽詰まった様な叫び声がして
和の部屋へ駆け込む。
翔「…かず！！」
部屋に入ってすぐ、翔が呼び掛けたけど
呼吸困難の状態が続くだけで反応はない…
「…っ、救急車…」
転がっていた和の携帯を手に取って
救急車を要請する。
潤「…ず、かず、が…」
ただ事ではない…
そう察している潤が和を呼んでポロポロ
泣き出す。
「大丈夫だよ、潤。大丈夫、だいじょーぶ…」
大丈夫かどうかなんて正直、俺には分からない。
でも、大丈夫じゃなきゃ困るんだ…
困るんだよ…
翔の指示で必要な物を用意して、出来る限りの
サポートをする。
点滴を刺しても反応がない和を見るのは辛い。
だけど、薬が効いて呼吸困難は治まって
顔はいくらか穏やかになった様に感じる。
翔が頭の下に枕を入れて、呼吸がしやすい状態を
つくってくれて。
ホッと息を吐き出したのも束の間…
ビクンッ…
今度は激しい痙攣が和の体を襲う。
翔「潤！点滴のところ抑えてて！！」
潤「…っ、んっ…は、い…」
ビックリしたり動揺してる暇なんてない…
潤は、点滴の針が抜けたりしない様に、痙攣で
動く腕を捕まえて握ってくれた。
翔「抑えてるから。入れちゃって？」
「…ん。わかった…」
痙攣止めの座薬を入れてやらなくちゃ…
翔が横向きで固定してくれてる間に
手早く押し込む。
先っぽを溶かしてやることも、ゼリーを塗って
滑りを良くしてやる余裕もない。
「ごめん…ちょっと我慢ね…」
痙攣で力が入って拒む体…
力を入れてグッと押し込む。
翔「ごめん、ごめん…痛いな…」
「もう少しね…」
意識があって反応しているとは思えないけど。
それでも押し込んだ瞬間、足を突っ張って
手をギュッとして…
痙攣とは違う動きを見せた和。
『痛みが伝わっているのかも…』
そう思ったら謝らずにいられなくて…
翔「おさまって、きたかな…」
ビクビクしていた体から力が抜けて
静かに横たわる体。
翔「ちょっと、聴かせてな…？」
聴診を始めた翔の顔がどんどん曇っていく…
それが良くないことがあるからだって
聞かなくても分かるんだけど、聞かずには
いられなくて。
「しょう…？」
翔「…心音、弱ってきた…」
「え…」
戻ってきた翔の言葉は予想を遥かに超えた
最悪の事態を意味している…
潤「…っ、か、ず…。い…だ、やだよ…」
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作者名：空
| 作成日時：2014年8月7日 12時
