1501.【兄弟の絆】 ページ1
［和side］
雅にぃが飲み会で
家にいないこと以外、
いつも通りの夜。
リビングでのゲームを終えて
「おやすみ〜」って、潤とそれぞれの自室に。
暑さでなかなか寝付けなくて、携帯のゲームを
ピコピコ。
どんどん目が冴えてきちゃうんだよね。笑
それで寝不足になって朝は眠くて…
悪循環だけど寝付けない時はゲームに限る。
『よし、寝よう』って思ってやめるんだけど
つい、また手を伸ばしてしまって。
ゲームしながらベッドの上をコロコロ…笑
今日は早めに就寝の用意を始めたから
なんだかんだ言ったって、まだ0時前。
たぶん雅にぃもまだ帰宅してないなー。
『いいなー、お酒♪』なんてね。笑
いい加減寝ようと思って携帯を閉じて
いつも通りに息を吸おうとしただけなのに…
「…っ、…っ、…？」
途端に胸の痛みに襲われて、呼吸ができない。
「…っ、…んっ、…す、け…」
コールボタンが…ない…
ゲームをしながらベッドを転がったのが
まずかった…
コロコロしたせいで、枕元のコールボタンに
足を向けて寝てしまってる自分に気付く。
「…っ、…う…」
呼吸できなくて、胸が締め付けられる様に
痛くて…
でも、意識を飛ばす寸前で俺は思ったんだ。
『にぃ達と潤が助けてくれる…』って。
不思議だよね…
［潤side］
なーんか寝苦しくて寝付けなくて。
こんなんだったら兄貴達に「おしまい」って
言われるまでゲームしてれば良かった…
和とやらないとつまらないもんな〜。笑
目を瞑って『寝よう、寝よう…』と、努力する。
そしたら、いつの間にか夢の中に…
夢の中では和も一緒のフットボールチームで。
「だりぃ…」なんて言わずに、夢中になって
ボールを追い掛けてた。笑
「んふふ…」
やべっ…夢見ながら笑うなんて気持ち悪りぃ。笑
目を開けたら口元が緩んでる自分がいて、
思わず苦笑い。
そりゃ、楽しかったけどさ…笑
ドンッ…
和の部屋からの突然の物音。
ベッドを抜け出して迷わず和の部屋へ。
何だか嫌な予感がした…
「…かず？」
和「…っ、…っ、…」
「…っ！かずっ！！」
ベッドの下に倒れていた和は、呼吸困難に
陥っていて…
胸を浅く細かく上下させてる。
いつもと違う…
大きな発作だ…
俺はすぐにコールボタンに手を伸ばして、
同時に「かずが！！」ってリビングに向かって
叫んだ。
和「…っ、…っ、…っ…」
「かず…大丈夫だからね…」
苦しさで、生理的に流れる涙を
拭ってやることくらいしかできない…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 702人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2014年8月7日 12時
