1945.【5】 ページ45
［雅にぃside］
仕事から帰宅したら
『あらしの誕生日パーティー』の支度は
ほぼ全て済ませてあった。
ケージまで輪飾りで可愛くしてあるから
可笑しくて笑ってしまう。笑
「ほら、プレゼント」
和「きゃはっ！やったぁ〜」
潤「くはっ！」
俺が帰り道に仕入れたのはバルーンアート。
『HAPPY BIRTHDAY』の文字とハートが
プカプカと浮かんでいて、ついつい購入。
テーブルの横に飾ったら華やかになった。
「それにしても、すげ〜御馳走だね」
翔「だろ？笑」
智「ふふ。唐揚げもあるからね〜」
「あひゃ！やった！」
5人でいるとさ、疲れも全部吹っ飛んでいくから
不思議。
「ところでさ…笑」
翔「はは！あの子？」
「ん、うん。笑」
さっきから庭にチラッと見える犬の影。
一匹はね、俺らのあらしなんだけど…
『キャンッ』って高めの声で鳴くあの子は
噂のあの子？ってね。笑
智「和がさ〜、前々から頼んでたらしくて。
『招待したい』って言ったらしいんだよ。笑」
「あひゃ！なるほど。和らしいね」
翔「だろ？」
まぁ、招待して正解だったんじゃない？
犬語は分からないけど、すごーく楽しそうに
走り回って戯れ合ってるから…
それからしばらくして食卓にみんなが揃う。
和「せーの！！」
『あらし！お誕生日おめでとう！！』
クラッカーはビックリすると可哀想だから
やめておいた。
そのかわりにヒラヒラと紙吹雪ね。
蝶ネクタイでカッコよくなった、あらし。
その隣には初恋の、あめちゃん。
今日はリボンを付けてきてくれた。
和「いっぱい、お食べ ♪ 」
大好物のご飯が並べられ、その横には
犬用のケーキ。
和は「このご飯なんだけど、食べさせても
大丈夫？」って、きちんと飼い主さんに確認を
したらしい。
そういう面でも『大人になったなぁ…』って成長を
感じるよね。
「きゃはっ！あらし、だいすきっ！！」
こうやって無邪気に笑ってる和を見れる時間が
俺らは大好き。
和「んふふ。家族になってくれて、ありがとっ」
思っているままの素直な思いを、真っ直ぐに
伝えられるって素敵なことだと思うから…
和「もう寂しくないでしょ？」
「ウォンッ！」
人間の身勝手で一度は手放されてしまった
あらし。
でも、手放される前は愛されていたってことが
分かるし、そのままの愛を和たちが
引き継いでくれたから幸せだと思う。
それに、俺らに幸せを運んできてくれた。
あらしは出逢うべくして巡り合った家族だから…
END
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作者名：空
| 作成日時：2015年6月28日 7時
