1941.【あらしの初恋】 ページ41
［潤side］
「ウォンッ！
ウォンッ！ウォンッ！」
「くはは！分かった、わかった」
和「また会いたいの〜？」
「ウォンッ！」
あらしはね、散歩コースで素敵な女の子に
出会ったんだ。笑
『あめ』って名前の、とっても可愛い子。
あらしは見る目があると俺は思う。笑
和「んふふ。連れてってあげるから。ね？」
「ウォンッ！」
翔「かーず！その前にこっちこい！！」
和「えー！！やだっ」
外出前の診察、拒否中ね。笑
あらしにリードを付けて抱っこして玄関に
逃げていく。
翔「かーず！！もう…笑」
眉毛を下げて優しく笑った翔にぃは「潤が
リード持っててやって？」って。
「ん、分かった。かず、貸して？」
和「えー、やだ！早く会いたいもんね？」
「ウォンッ、ウォンッ！！」
和「ほらね？」
「ほらね、じゃねーの！笑」
和「…っあ、むぅ…」
ちょっと無理矢理にリードを奪ったら
プクッと膨れてる。
いくつになっても可愛いって特だよな。笑
「早く診察してもらってこい！」
和「ぶぅ…いじわる…」
何を嫌がってんだか。
翔「かず、もしかして体調悪い？」
和「違うっ！」
翔「だったら、とっとと来なさい！！」
和「んぅ…」
軽くカミナリを落とされた和はトボトボ。
さっさと行けばいいのに、まったく。笑
翔「そこ座って？」
和「…ん」
翔「どう体調は」
和「ん、元気。早くあらし連れていきたい」
翔「はいはい。笑」
ソファーに寝転んでお腹を出した和は「あのね、
あらしってばね？」ってニコニコ。
聴診中は「静かにしろ」っていつも言われてるのに
御構いなしなんだもん、笑っちゃう。
和「きゃはっ！それでね？」
翔「かーず…笑。ちょっとだけ、しー…」
和「でもね？あらしが好きなのは雨ちゃん。
あらしと雨ってなんか縁があるよね？」
翔「はは！でも雨って漢字か分からないんだろ？笑
意味が違うかもしれないじゃん」
和「んふふ。そっか ♪」
和はニコニコしながら「あらしの初恋が
実るといいなー」って。
翔「よし、おしまい！散歩行ってきていいけど、
帰ってきたら吸入な？」
和「んふふっ、行ってくる！！」
翔「…っ、待て！」
誤魔化した返事で翔にぃを交わせるわけないのに。
和「んぅ…腕、離して…」
翔「吸入な？笑」
和「…」
翔「返事。」
和「んぅ…はい」
昨日からちょっと咳が出てるから、仕方ない。
和「お待たせっ」
「ウォンッ！」
翔にぃに背を向けながら「診察…ありがと…」
だって。笑
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作者名：空
| 作成日時：2015年6月28日 7時
