5人で生きてゆく…part39 (ページ37)

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1937.【5】和の心ページ37

［智にぃside］

2.3日経っても
潤が俺らを頼ってくれることはない。

「いい」って俯いて恥ずかしがって
俺らの手を払い退ける…

それにともなって和の体調も優れない。

さっきから膝枕してるんだけど、今朝から何となく
熱いんだよね…

和「…ゅん、戻ってきた…？」

「んーん。まだトイレ」

和「…ゅんとこ、行きたい…」

ほんのりピンクのほっぺに、心なしか潤んだ目。

翔の手が空いたら診察してもらった方が良さそう…

和「…く、いく…」

「ん。」

トイレの前で座り込んだ潤と翔。

潤「…放って、おいて」

翔「…っ、待って？頭、痛いんじゃないの？」

潤「平気だから、触んなっ…」

翔「着替えたら熱だけ計って？」

潤「嫌だ」

潤も精神的にも辛いから、体調を崩したのかも
しれないね。

翔の手にある体温計を払い飛ばして
風呂場に駆け込んでいく。

バンッ…

音を立てて閉められたドアが、潤の存在を
何だかとっても遠くに感じさせて…

見ていた和がポロポロと泣き出す。

「翔？ちょっと診てもらってもいい…？
熱、あるかも…」

翔「ん、了解。かず、リビングおいで？」

背中をさすって宥めながら、ソファーへと促す。

和「…っ、俺は大丈夫、だから潤…」

翔「和が終わったら、潤のところいってくるから。
な？それでいいだろ？」

和「…っん、…ん…」

コクコク頷いた和はクタッと体重を預けてきて
目を閉じた。

もしかしたら、俺が思っているよりずっと
体が怠いのかもしれない…

そっと挟んだ体温計を抜きながら、翔が俺に
表示を見せる。

37.5℃…

平熱が低めの和にとっては十分に辛い数値。

翔「ちょっとだけ聴かせてな？
そのままでいいから…いい？」

和「…ん」

服を少しだけ捲って聴診。

真剣な顔で聴いていた翔が「かず？ここ、
苦しい？」って胸に手を当てて顔を曇らせる。

和「…っん、んーん…、…ゅ、ん…」

胸の苦しさより、潤を思う苦しさが勝る…

翔「俺が見てくるから。な？」

和「…っ、ん…、…れも、いきた、い…」

翔「ん、分かった。じゃあ、胸が苦しいのが
無くなるように飲み薬持ってくるから。
智にぃに、血圧測ってもらって待ってて？」

和「…ん、…かった」

和は涙を拭って「智にぃ、やって？」って
腕を差し出してくる。

いつもは血圧でも嫌がるくせに、潤への思いには
勝てるみたい。笑

「ん、測ってみようね」

ソファーに寝転ばせて血圧を測る。

ふと、視線を上げたら…

潤がこっちを見ていた。