1936.【4】 ページ36
［和side］
翔にぃが病院に
行っている間に、また失禁…
潤はすっかり塞ぎ込んでしまった。
翔「ただいま、潤。ここに採尿してきて？」
潤「…」
翔「じゅん？してきて？」
潤「…今、出ない…」
採尿キットを押し返して、和室に逃げていく。
いつもの自分を見ているみたいだ…
病気なのかな…それともストレスかな…
考えるだけで胸のところがギュッと苦しくなる。
雅「大丈夫だから。そんな切ない顔すんな。笑」
そんな俺の気持ちに気が付いて、ガシガシっと
頭を撫でてくれる雅にぃの手。
ちょっぴり乱暴で…でも優しさが詰まってる。
潤は結局、かなりグダグダしてから採尿を
済ませて、和室に寝転んだら動かなくなって。
病院に行った翔にぃが戻ってきた頃には
寝息を立てていた。
翔「みんなに先に説明しちゃうね」
リビングで潤の検査結果を聞くことに。
難しいことはよく分からなかったけど、排尿障害の
一種なんだって。
膀胱が急に収縮してしまうから「トイレいきたい」
って思ってから動いても間に合わないことが
多いらしい。
「…ゅういん？」
翔「んーん。薬で治せる。ただ、そんなに
すぐには完治しないから辛いかもしれないけど…」
「原因は…？」
翔「はっきりしないことが多いんだ。
薬で治らなければ精密検査が必要になってくるけど
たぶん、大丈夫だと思う」
「…そっか」
潤の気持ちを思うと堪らない。
きっと、にぃ達を上手く頼れずに辛い思いを
するんじゃないかな…って。
羞恥心もあるし、意地を張ってしまっているから
今さら素直にはなれないと思う。
ほんとだったら、にぃ達のことを頼って
助けてもらいながら薬で治療できるのが
理想なんだけどね…
潤「バカ！…っ、触んなっ！」
翔「…」
俺の予想通り…
病気のことについては話もきちんと聞いて
「ちゃんと薬飲んで治す」って約束をした
潤だけど。
失禁をしてしまった時には、誰も頼ろうとしない。
傍に行って手伝おうとすれば、すごい勢いで
追い払おうとする。
智「かず、こっちおいで。リビングで
待ってようね…」
「…っ、ん…」
怒鳴り声が聞こえたからトイレに行ってみたら
翔にぃに向かってキックする潤がいて…
大好きな翔にぃにあんなこと…
潤も辛いと思うけど、手助けできない翔にぃも
辛いと思う。
色んなこと考えてたら涙が零れて…
智「泣かなくても大丈夫…おいで」
「…っ、んっ、んっ…、…っく…」
ソファーで智にぃが慰めてくれる…
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作者名：空
| 作成日時：2015年6月28日 7時
