1915.【2】 ページ15
［智にぃside］
当直明けで寝ていた翔が
夕方に起きてきたから、一緒にコーヒーを
飲んでリビングでのんびり。
そんな時に…
バンッ…ドンッ…
いつもより派手に玄関のドアの音が響いて
鞄を投げる音。
翔「はは！不機嫌か？笑」
翔の言葉通り、機嫌の悪そうな潤が登場。
「おかえりぃ〜」
翔「おかえり」
潤「…」
「かずは？」
翔「一緒じゃねーの？」
潤「…知らねーよ！」
叫んだと同時に部屋に走っていった潤。
翔「はは！分かりやすっ！笑」
明らかに、和に対して怒りを露わにしている。
それを隠すこともできないくらいイライラ
しているのが分かった。
翔「兄弟喧嘩かな」
「そうかもね」
兄弟喧嘩くらいなら何度してもいい。
ただ、お互いに傷つけ合うのはやめて
もらいたいけどね。
機嫌が悪いくらいで部屋を覗きたくは
ないけれど…
翔「和の病気のこと絡んでるなら、ちょっと話
聞いてきてくれない…？」
「ん、そうだね…」
和の体調に関わること、薬に関わることが
原因なら知っておかないと心配だから…
コンコンコン…
部屋にお邪魔することにした。
潤「…なに？」
ベッドに寝転んで、窓の方を向いていた潤は
あからさまに不機嫌な声を出す。笑
「和と言い合いしたの？喧嘩？」
聞きたいことをあえてストレートに尋ねる。
真っ直ぐな潤は、まどろっこしいこと嫌いだから。
潤「…あいつが悪い」
「ん…？」
潤は俺に背を向けたままだけど、喧嘩になった
経緯をボソボソと話してくれた。
「で、薬は？」
潤「和が持ってる。どこ行ったかは知らねー」
「ん、了解。話してくれてありがとね」
依然、背を向けたままだけど肩の辺りを
ポンポンとして立ち上がったら「でも…和の
言ってること、ほんとかもしれないから。
信じてあげなかったけど…ほんとに数が多かった
だけかもしれないから」って。
なるほど。
ずっと引っかかってるわけね…
なら、こっちが先だね。
「じゅん…？」
潤「…」
「和のこと信じられなかったのは何で…？」
ベッドに腰掛けて顔を覗き込んだら潤み出した目。
潤「…かん、ない」
あ、逃げた。笑
「ふふ…ちゃんと理由あるんじゃないの？」
潤「…っ、ん…」
ポロポロと溢れ始めた涙。
「ほんとは信じてあげたかったんだよね…？」
潤「…っ、ん、ん…」
信じてあげたい気持ちと、心配や不安が交差
するんだろうね。
潤「んっ…ん、もう、いい…」
布団に潜ってしまった背中を撫でてから
翔に報告する。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1496人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2015年6月28日 7時
