1107.【吐血】 ページ7
［智にぃside］
朝から腹痛を
訴えてる和。
でも翔の触診を嫌がって
ほとんどまともに
診てもらえてない。
翔「昼になっても治まらない感じだったら
病院連れてきてもらっていい？」
「うん、いってらっしゃい」
何を聞いても、はっきり受け答えしない和に
苦笑いしつつ翔が出勤していった。
和「…たんぽ」
「…笑」
自分の欲求だけはちゃんと言えるんだから
困ったもんだよ…
「このまま治らなかったら診てもらおうね？
心配だから。」
和「…へーき」
「こーら…湯たんぽ持ってこないよ？」
和「…ねがい」
何が「おねがい…」だよ。笑
そう思いつつも結局、根負けしてしまうのは
こんなんでも和が頑張ってるって
知ってるから…
和「…ったかい。ありがと…」
弱々しくお礼を言いながらも、ちゃっかり
俺の手をお腹の上に持っていく和。
「さすってほしいの…？」
和「ん…やさしく、がいい」
「ふふ…了解。」
力を入れずに体温が伝わる程度に。
ゆっくりゆっくりさすってやる。
和「…つもと、違う…」
「ん？」
ポツリと呟くから、さすり方が嫌なのかなと
思って耳を傾けたけど、どうやら違うみたい。
「痛いのが、いつもと違う…」って。
大事なこと早く言いなさいよ。と思いつつ
翔にメールを入れる。
「やっぱり心配だから今から連れて行っても
いい？」って。
すぐには返信もらえないと思うけど、診察の
合間で連絡くると思うから。
そう思って支度を始める。
和「…んで、さすって、くれないの…？」
ベッドの和が早くも不満を漏らして
服を掴んでくる。
「ん？ちょっと待ってね…」
クローゼットからダウンを出したいんだけど
すごい力で掴んでくるんだもん…
「かず…ちょっと待って？」
和「…だ、びょーいん、…かないもん…」
相変わらず鋭いな…笑
「いくの。俺が心配だから。診てもらって
ただの腹痛なら安心でしょ？」
和「…だ」
「かず？やだじゃないの。いく」
和「…じわる」
ちょっと厳しくしたら涙目で押してきた。
掴んだり押したり忙しい奴。笑
とりあえずダウン出して、自分も着替えて
用意して再び和の元へ。
「かーず…ちょっと頑張って起きて？」
和「むり…」
「そう言うと思った。笑」
「ほら、起こしてあげる」って抱き起こしたら
フルフル首振って。
今度は可愛くアピールしてくる。
「今回は通用しないよ？ほら、靴下履いて？」
和「…」
俯いていじけ始めた和の背中をポンポンして
先を急ぐ。
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作者名：空
| 作成日時：2013年12月27日 17時
