1143.【5】 ページ43
［翔にぃside］
当直明けで帰宅したら
廊下で潤が泣いていて…
「どーした？」って
問い掛けたら
「かず、いっちゃった、じゃん…」って
小さくなって呟いた。
智「和のこと学校行かせたら、ずっと
そこで拗ねてんの…」
「え？ずっと？」
苦笑いで頷く智にぃ。
ざっと計算しても2時間以上は経ってるよ？
智「俺が行かせたからさ。近付くだけで
怒るんだよ…。だから翔のこと待ってた。」
そういうことね。
智にぃと少し話をして、
パパッと着替えて潤の隣にしゃがみ込む。
「じゅん？」
潤「…っちゃ、った…」
スウェットの袖を伸ばして涙を拭きながら
一人でずっと泣いてる潤が意地らしくて
そっと抱き寄せる。
意地になっちゃったから智にぃにも
甘えられなくて、泣くしかできなかったん
だろうなと思って…
「じゅーん？」
俺は潤に「和に居て欲しかったの？それとも、
行って欲しくなかったの？」って
ゆっくり問い掛けた。
もちろん答えは「行って欲しくなかった」で。
智にぃの思ってる通りだね。
大事な和を、自分が恐怖を感じる場所に
行かせたくないんだよね…
智「紅茶入れたよ〜？」
「いこっか。」
潤「…ーん。…ここで、まってる…」
智にぃが空気を替えてくれようとしたけど
潤は動こうとしなくて。
良い機会だから、きちんと話してみるね。って
智にぃに合図した。
「じゅん？潤は学校嫌いなの？」
潤「んーん…」
「だろ？じゃあ、和はどうなの？」
潤「…っ、すきっ…」
「だろ？和も学校好きなのにさ、行ける時
限られてんだろ？」
潤「…っ、…んき、げんきな…き」
「うん、そうだよな。今日は元気だった？」
潤「…っ、っ、うん…」
「学校行きたがってただろ？」
潤「…んっ、っう、ん…」
「だから智にぃは、お前に「駄目」って
言ったんだよ？分かるな？」
潤は「分かるけど、行って欲しくなかった…」
ってしゃっくり上げて訴えてくる。
「じゃあ、行かせない？
ほんとにそれで良いと思ってるの？」
この質問は意地悪だと思ったけど…
潤「…れは、…め、かず、可哀想…」
ほらね？分かってんじゃん。
「おいで」
少し離してた体をまた抱き寄せる。
智にぃも近くにきて、ゆっくり頭を撫でる。
潤は智にぃを見つめて「…めんなさ、い」って
謝ってギュッと抱きしめてもらって。
リビングに移動した後、智にぃが温め直して
くれた紅茶を飲みながらのんびり過ごした。
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作者名：空
| 作成日時：2013年12月27日 17時
