1133.【翔にぃの優しい心】 ページ33
［智にぃside］
「おかえり」
翔「あ、うん…
ただいま。」
最近、翔は心ここに在らず…
いつも何かを考えてるような
そんな顔をしていて。
夜中まで誰かと電話をしていたり
明け方に電話で起こされたりしてるみたい。
「仕事、遅刻しちゃうよ？」
翔「…ん、…うん」
そんなんだから朝もスッキリ起きれない。
「何かあったら話してね？」
翔「…ん、ありがと…」
時間ギリギリに起きて、和の診察して
仕事にいく。
そんなことを繰り返していて、ゆっくり話す
時間も取れなかった。
雅紀と和と潤も心配してるから、そろそろ時間
作って話さなきゃと思ってたんだ。
「帰ってきたら話ししてみるね」
そんな話をしていた夜、翔はかなり酔っ払って
帰ってきた…
翔「ただーいま〜、帰りました〜」
玄関で陽気な声出してひっくり返って。
スーツもシワシワだし、ネクタイも外れてて。
「お水、持ってきてくれる？」
和が持ってきてくれたお水を飲ませようとしたら
手で押し返してきて「お酒〜！さとにぃ〜、
一緒に飲もうよ〜」って。
何があったかは分からないけど、やっぱり
何かあったことは確実で…
「とりあえずリビングいこっか。
雅紀、手伝って？」
翔「リビングいって、飲み直そ〜！
みんなで、飲もうよ〜」
「わかった、分かった…」
雅紀と2人で翔を抱えてリビングに連れていく。
その後ろを心配そうな顔した双子がついてくる。
ソファーに座らせて肩を抱いたら、一気に
目が潤み出した翔。
翔「…れ、何も、してやれな、い…」
「ん？」
翔「何にも、力になってあげられねー…」
そう言いながらポロポロ泣き出したかと
思えば「もう飲むしかない〜」ってケラケラ
笑い出して。
こんな翔を見るのは初めて。
翔「水じゃなくて、ビール！！
智にぃと雅紀も飲もうよ〜」
「そうだね、飲もうか。」
翔「そうだよ〜、…れ、一人で飲むの、
寂しかったん、だから…」
そう言いながらまた泣き出す。
ずいぶんと情緒が不安定だね…
「ちょっと見ててもらってもいい？」
雅紀に隣に座ってもらって双子を連れて
キッチンにいく。
「大丈夫だからさ、ちょっとみんなで
付き合ってもらっていい？」
グラスに3人分のビールと2人分のジュースを
入れながら問い掛けたら「分かった…」って
頷いてくれた2人。
翔「遅いよ、おそいよ〜！！
ほら、かんぱ〜い！！ははっ！」
こんなにならなきゃ心が潰れちゃいそうな
何かがあったんだと思うと…
何とかしてやりたい…
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作者名：空
| 作成日時：2013年12月27日 17時
