1123.【6】 ページ23
［智にぃside］
和室でアイロンがけ
してたら
翔から電話が
かかってきた。
『智にぃ、早くきて〜』
『やだ！だめ、呼んじゃ駄目！！』
プップー…
そこで電話は切れた。笑
くよくよ悩んでたって仕方ないもんね、
さて、いかせてもらうか。
わざとらしく「かずー？呼んだ〜？」って
翔の部屋に入る。
和「…れじゃない、翔にぃが呼んだ…」
俺から逃げるようにベッドに上がって
翔の後ろにしっかり隠れる和。
翔「はは！こいつ飼わないかな〜と思って。笑」
翔は笑いながら和の腕を引っ張って
「懐くまで時間かかるかもしれないけど、
良かったらどうぞ〜」って。
和「ん〜、俺は犬じゃないっ！離せや！」
キャンキャン言ってる和は、犬にしか
見えない。
翔「大丈夫だよ、かず。笑
食われたりしないから。な？」
和「ん〜…そういう問題じゃないっ！」
翔「ん？じゃあ、どういう問題？」
翔がからかって顔を覗き込んだら
「怒ってるのが…もんだい…」だって。
せっかく翔が作ってくれた空気だから、
今日はこのまま仲直りしちゃおうかな。
たまにはこういうのも良いよね。
「翔、いくら？笑」
翔「あ、飼う？いいよ、お譲りします。笑」
ふざけてお辞儀した翔は「はい、どうぞ」って
和の腕を引っ張って俺の手に掴ませた。
和「ん〜…」
翔「はは！凶暴なんでお気を付けを！笑」
最後までふざけた翔は、そのまま部屋を
出ていく。
和「あ…、…ょうにぃ…」
ドアに目を向けてシュン…とした和。
「かず〜？怒鳴ったりしてごめんね。」
こいつが臆病なのを知りながら、一時の感情で
怒鳴ってしまったことは謝りたいと思った。
和「…ょう、にぃ…」
「…笑。このやろっ！！」
犬ならスキンキップ喜ぶはずだ。笑
押し倒して脇腹をくすぐったら「きゃはっ！」
っていつもの笑い声。
和「…めて！きゃはっ！っ、やっ…」
しつこくくすぐったら「分かったぁ〜、
いい子にするからぁ〜」だって。
今まではいい子じゃなかったって
思ってるのかね。笑
解放してやったら、笑い過ぎて涙目になった目で
「俺もひどい事言ってごめんね…
ごめんなさい」って謝ってきた。
頭を撫でたら仲直りできた。笑
そこからは甘えんぼ全開。
ずっと引っ付いて甘えてきて。
和「まだ分かんないから、何て書けばいい？」
結局、進路希望調査には
『まだ未定なので兄と相談中です』って書いた。
俺も心配し過ぎるのはやめる。
和にもいつか将来が見える日が
くると思うから…
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作者名：空
| 作成日時：2013年12月27日 17時
