1117.【5】 ページ17
［智にぃside］
翔「ただーいまー」
カウンセリングから
帰ってきた潤は
翔の背中にピッタリと
くっ付いている。笑
翔「車で寝ててさ…笑」
まだ寝足りないのか、照れてるのか…
ソファーでも、そのまま膝の上に頭をのせて
甘えてる。
一瞬だけ目を開けて俺のこと見たけど、
目が真っ赤に充血してて、沢山泣いたんだなって
分かったから。
少しそっとしておこうと思ってたんだけど…
翔「…ちょ、何だよ、急に…、どした？」
翔の戸惑ったような、焦ったような声が
したからソファーに目を向けたら…
目に涙をいっぱい溜めた潤がバフッと翔に
飛びつくのが見えた。
翔「ん〜？どした？よしよし…」
戸惑った顔をしながらも、優しい声で宥めて
ギュッと抱きしめてあげる翔。
潤は翔にしがみ付いて、しゃっくり上げて
泣いている。
俺も、潤を挟む形でソファーに座って
背中をゆっくりさする。
いっぱいいっぱいになっちゃうんだよね…
受け止めなきゃいけない現実は
ずっとずっと大きいもんね…
潤「…れ、っ、…んじ、っん、…る…」
翔「ん〜？」
潤「…れに、っん、…いわ、っん、…も」
智翔「…」
潤「…れ、っ、んっ、は…んじ、っ、…る…」
あまりに苦しそうに喋るから
途中で中断させた方がいいのかなって
思っちゃうくらい。
でも、潤が伝えたいことだもんね。
翔も止めずに最後まで聞いてあげてる。
翔「俺らも信じてるよ？ね、智にぃ。」
「ん、信じてる。」
翔にキュッと抱きついてる潤は
コクコクって頷いてる。
潤の言いたいこと届いた…
『俺は信じる。
誰に何て言われても。
俺は信じてる。』
そのまま腕の中で眠った潤を、翔が抱き直して。
涙で濡れた頬を俺が拭った。
翔「誰に何を言われたかは分からないけど…」
「カウンセリング室に迎えに行った時の様子だと
カウンセラーには話せたんだと思う」って
言葉を繋いだ翔。
腕の中にしっかり抱きしめられてる潤が
安心しているように見える。
翔「いっぱい頼っていいからな…」
「そうだね…」
一人で抱えきれない時は、今日みたいに
思いっきり泣いていい。
いくらだって付き合うから、すぐに
治そうとして焦らなくていい。
いつだって5人だよ。って…
だれも欠けたりしないんだよ。って…
潤の睡眠時遊行症が治るように、和の病気も
いつか治る日がくるんだよ。って…
俺らは日常生活を送りながら、潤に伝え続ける。
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作者名：空
| 作成日時：2013年12月27日 17時
