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［潤side］
翔にぃに
泣き付いた翌日、
学校帰りに
カウンセリングにいく。
翔にぃが待っててくれたから
「一緒きて…？」って
手を引っ張ってカウンセリングルームに
入った。
雑談したり話したりした後
「潤くん？今日は2人で少し話したいな」って。
翔にぃが頷いて立ち上がる。
「…って、一緒がいい…」
キュッと白衣を掴んだら翔にぃが優しく笑って
見つめてきた。
翔「着替えて迎えにくるから。な？
一緒に帰ろう？」
「…ぐきて…？」
カ「あったかいの飲もうか。ココアでいい？」
カウンセラーが立ち上がって、翔にぃも
俺の手をそっと離させて出ていく。
「…っしょが、よかった…」
俯いてポツリと呟いたら目の前に差し出された
ココア。
カ「ごめんね。お兄さんに頼んだんだ。
2人で話をさせて下さいって。」
「…」
それからカウンセラーは、午前中に翔にぃが
相談に来たことを教えてくれた。
「俺らに気を遣って話せないのであれば
聞いてあげて下さい」ってお願いされたこと。
カ「どうしよっか。話した方がラクになる？」
「…」
カ「お兄さんにも和くんにも知られたく
ないことなら言わないよ？約束する。」
「…話しても、何も言わない？」
カ「うん、言わない」
「ほんとに言わない？」
カ「うん、言わない」
俺を真っ直ぐに見つめて言い切るカウンセラー。
信じて口を開いた。
「医者になりたい」って話をしたら
「急がないと和くんの治療に間に合わないん
じゃない？」って言われたこと。
「一生治らなくて大変な病気だなんて
付き合っていくお前らも一生大変だな」って
言われたこと。
「信じてるんだから…」
「治らなくないもん…」
「俺が大人になって直すって
約束してるんだから…」
俺が泣きじゃくってる間、カウンセラーは
黙って聞いていてくれた。
先を急ぐことも否定することもなく。
それでゆっくりと口を開いたんだ…
カ「和くんのいろんな事知ってるのは
その人と潤くんどっち？」
「…おれ」
カ「和くんの病気のこと沢山知ってるのは
その人と翔先生どっち？」
「…ょ、せんせ」
カ「んふふ…だったらもう答えは
出てるんじゃない？」
「…ん、ん。おれ、信じて、る…」
カ「ん…知ってる。
だから和くんも頑張れるんじゃない？
だから、お兄さん達は潤くんこと
守ってあげたいって思うんじゃない？」
分かってるつもりなのに、誰かの言葉一つで
ドン底に落ちたり、救われたり…
いつだって信じてるのに…
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作者名：空
| 作成日時：2013年12月27日 17時
