1112.【6】 ページ12
［智にぃside］
処置してもらって
目覚めた和が
思ったより元気で
やっと心から安心できた。
和「…とにぃ、ギュッて
し過ぎ…、苦しい、よ。笑」
腕の中の和から苦情が…
あまりに安心したからさ、強く抱きしめ過ぎた
みたい。笑
和「ねぇ、たいちゃん？
いつまで点滴繋がれてるの〜？」
消「お腹治るまでかなぁ〜」
翔「こら、和！！先生だろ？」
和「いいじゃん、どっちでも！ね？」
消「ふふ…いっか。笑」
いつもの病室に、大好きな先生達。
和はすっかりリラックスしてる。
お腹に痛みがあるうちは比較的
大人しかったんだけどね…
数日で我慢の限界だよね。笑
和「たーいーちゃーん！！」
消「ん〜？」
和「お腹ペコペコ…」
和はTシャツを捲って「ほらペコペコ」って。笑
消「ほんとだぁ〜。笑」
「お腹空いちゃうよね」って笑いながら
聴診を済ませてくれる先生。
和のペースに合わせつつ、こっちのペースに
のせちゃうんだもん。
さすがとしか言いようがない。
消「もうすぐね、ご飯食べれるからね〜」
和「あのね？」
消「ん？」
和「お粥とかじゃなくてね？」
消「うん」
和「ハンバーグが食べたい！！」
消智翔「…笑」
その場にいた皆が苦笑い。
和らしいっちゃ和らしいんだけどね…
そんなんだけど、数日間、薬も絶食も頑張って
くれた。
少しずつ始まったお粥も、文句言いながらも
口に運んでる。
翔「ほら、もう一口」
和「味ないもん…」
翔「お米の味です。笑」
和「むぅ…」
翔と言い合いして負けて。
またスプーンを口に運ぶ。
そんなことの繰り返しだけど、先生くると
「帰りたいから診察して〜？」ってさ。
自分からお腹を出せるんだもん、
かなりの成長だよね。
診察を終えても、なかなかたいちゃんを
帰らせたくない和。
和「え〜、たいちゃんとゲームしたい〜」
翔「仕事なんだって。我儘言わないの〜」
和「翔にぃがいけばいいじゃ〜ん！！」
消「…笑」
和「…いてっ」
翔に頭を小突かれた。笑
和がこんなにイキイキしてるのは珍しい。
余程、たいちゃんが好きなんだね。
こんな我儘な患者を大事にしてもらって
頭が下がります、ほんとに…笑
こんなこと思えるのも、目の前の和が元気
だから。
今回はさ、ほんとに焦った。
でも、翔を含めて周りの人の温かさを
沢山感じられたし、何より一人じゃないって事を
強く知ることができたから。
和の生命力も感じたしね。
改めて…強くいようと思うよ。
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作者名：空
| 作成日時：2013年12月27日 17時
