1092.【6】 ページ42
［智にぃside］
クリスマスの朝、
珍しく和より先に
目覚めてきた潤。
第一声が「昨日、またあのこと思い出してた」
って一言。笑
翔「おまっ、挨拶より先にそれかよ！」
雅紀が「あひゃひゃ！」って笑い飛ばす。
和「おはよ〜」
こちらはちゃんと挨拶してるなと思ったら
ゲーム機片手にプレゼントに真っしぐら。笑
翔「もう！お前らはちゃんと
挨拶できねーのか！笑」
雅「あひゃひゃ！無駄だよ、翔にぃ。
潤は和しか見えてないし、和にはプレゼントしか
見えてないもんっ！笑」
「我ながら良いこと言った〜！」って言いながら
朝からプレゼントのバッシュで部屋の中を
歩き回ってる雅紀も嬉しくて仕方ない様子。
ワチャワチャが少し落ち着いて、
みんなで囲む朝の食卓。
「ねぇ、覚えてる？」
和潤「ん？」
「父ちゃんと母ちゃんいなくなった年の
クリスマスプレゼント何頼んだか…」
和「…ん、俺は野球のゲーム」
潤「俺ねぇ、戦隊ものじゃない？」
「んふふ…当たり。
じゃあ、俺が何頼んだか知ってる？」
和「…なんだろ。」
潤「兄貴たちが何か貰ってるイメージないな」
「ふふ…正解。」
和潤「え？頼まなかったの？」
「頼んだよ？」
和潤「何を？」
「無茶苦茶なお願い。」
そこまで話したら双子は持ってたパンと箸を
置いて俺を真っ直ぐに見つめてきた。
話す時がきたなって思って…
「あのね。父ちゃんと母ちゃんを下さい。って
書いたんだ。プレゼントは一生いらないから
返して下さいって…」
翔「俺も。親父と母さんを返せ。って」
雅「俺もだよ？お父さんとお母さんを
この家に戻して下さい。ってね…」
大人になった俺らが無謀なお願い
してしまうくらいだもん。
小学生の和が「元気な体を下さい」って
お願いするくらいサンタさんは想定内。
俺らはビックリもしなかったし、悲しくも
なかったよってこと。
和「…レゼント、何だったの？」
「んふふ…手紙。手紙くれたの。ね？」
翔雅「うん」
潤「え？誰から？」
「ん？サンタに決まってるでしょ？…ふふ」
ほんとは3人で手紙回して、お返事書き合いっこ
したんだけどね。
それは俺ら3人の秘密。笑
潤は大笑いしながら「そっか、智にぃは
サンタ信じてるんだもんね」って。笑
「信じてるよ？サンタいるもん」
和「俺もっ！信じてるよ！手紙もらったもん」
和の顔にパッと笑顔が戻った。
あ…通じたなって。
色んな意味でサンタを信じるって
素敵なことだと思う、今日この頃…笑
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 661人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2013年11月16日 0時
