1089.【3】 ページ39
［潤side］
「いい匂いする〜」
智「ふふ…
チキン焼いてる〜」
あらしの散歩から和と戻ったら
キッチンからいい匂いがしてきた。
智「プレゼント靴下の中に入れておいて〜？」
和潤「はぁ〜い！」
綺麗に包装されたプレゼントが5つ。
和「早く明日の朝にならないかな〜」
「楽しみだね〜」
サンタさんが来るのは明日の朝。
俺らは小3くらいまでサンタの存在を
本気で信じてた。
いつもクリスマス前には手紙に欲しいもの書いて
靴下に入れておいてた。
そうすると25日には欲しかった物が届いてて。
サンタに一目で良いから会いたいって思って
夜中まで起きてたこともあったけど
結局会えなかったんだよね…
そんなこと思い出してたら、膨れっ面の和が
翔にぃに手を引かれて俺の前に座った。
翔「潤も見ててやって。こいつ飲み過ぎるから」
「あ、うん」
翔「夜までで350。ジュース開けさせないで？」
「分かった」
和「…んなの、飲んだ気しない。」
グラスに半分くらいの麦茶を見て和はプクッと
膨れてる。
翔「あと少し飲んでいいから。冷蔵庫に
別にして入ってるから。」
和「…」
翔「いいね？」
和「…ん」
今セーブさせておかないと、夜はジュースとか
飲めなくなっちゃうからね。
ちょっと厳しい気もするけど、
和はこうやって翔にぃが決めてくれるお陰で
パーティとか外食の時に好きなように
水分摂れるんだ。
俺らとしてはお決まりのコース。
和も分かってはいるんだけど、なかなか素直には
なれないみたいで。
夕方になってケーキを取りに行く時も
「診察しなくていい」とか言って拗ねて。笑
智「診てもらわないなら、トナカイあらし
連れて、俺が行っちゃおっかな〜」
和「ん〜…だめ」
翔「じゃあ、ここおいで」
トナカイのコスチュームを着せたあらしを
抱いたままソファーに座った和。
翔「可愛いな〜、あらし。
あらしくんは元気ですか〜？笑」
拗ねた和に付き合いながら優しく診察する
翔にぃ。
どんな楽しい時も診察がくっ付いて
くるんだもんね。
そりゃ「やりたくない！」って
時もあるだろう。
翔にぃはそんな和の気持ちもちゃんと
受けとめてる。
「もし熱があったら…」ってドキドキする
気持ちもちゃんと分かってる。
翔「大丈夫。げんき、元気。」
和「…りがと、いってくる！」
「ケーキ頼むね！」「あんま遅くなんなよ！」
そんな兄貴達の言葉を背に受けて
俺らは勢いよく玄関を飛び出した。
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作者名：空
| 作成日時：2013年11月16日 0時
